前回は、「この会社には貸したい」と思わせる、決算書や事業計画書などの作成方法について説明しました。今回は、銀行から融資を受けるために有効な「信用保証協会」の活用法について見ていきます。

信用保証協会もチェックする「資金使途と返済能力」

中小企業が銀行から融資を受けるときの強い味方が、信用保証協会だ。

 

信用保証協会は、中小企業が銀行から融資を受ける際、融資額の80〜100%を保証してくれるので、銀行も貸しやすくなる。信用保証協会への申し込み手続きは通常、銀行が窓口となる。

 

信用保証委託申込書、確定申告書(決算書)、試算表などの必要書類を銀行経由で信用保証協会に提出し、審査を受ける。もちろん、信用保証協会はなんでもかんでも保証してくれるわけではない。

 

審査で資金使途と返済能力をチェックするのは、銀行の審査と変わりない。審査が通りやすいかどうかも、基本的に銀行と同じだ。

 

まず、業績をきちんと説明する。申込書の企業概要欄に、最近の業績推移を客観的な数字とともに記入し、その背景や自社の対応、そしてこれからどうしていこうとしているのかを具体的に説明する。

「事業計画書」に盛り込む具体的な内容とは?

例えば、「主力事業の売り上げが下降気味であるが、3年前から取り組み始めた新規事業がようやく利益に貢献し始めており、さらに来期には強力な新商品も投入する予定」といったストーリーを提示するのである。

 

ただ、信用保証協会の申込書の企業概要欄は小さく、書き込める情報には限りがある。そこで、具体的な数字を盛り込んだ「事業計画書」を添付する。「事業計画書」には、来年度の損益計画、資金繰り計画などを入れる。

 

製品やサービス別の売り上げ目標、経費ごとの予定額を細かく記入し、収益を確保するため計画的に経営をしていることをアピールする。

 

「事業計画書」は、資金使途と返済財源に問題がないことを理解してもらうのにも役立つ。信用保証協会の審査担当者は、銀行以上に書類に基づいて判断する。その判断材料をたくさん提供するほうが絶対に有利だ。

本連載は、2016年3月2日刊行の書籍『赤字会社を完全復活させる 逆転の融資交渉術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

赤字会社を完全復活させる 逆転の融資交渉術

赤字会社を完全復活させる 逆転の融資交渉術

久松 潤一

幻冬舎メディアコンサルティング

苦しい経営を続ける中小企業も依然として多い中、企業にトドメを刺すのは資金供給のストップ、すなわち銀行の融資がおりなくなることです。バブル期のように、銀行が「借りてください」と頭を下げるような状況が再び訪れること…

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