銀行との交渉が苦手な経営者も多いが・・・
銀行との交渉をなぜか苦手とする中小企業経営者がいる。そういう人は、銀行の担当者を普段から遠ざけ、情報提供も通り一遍なものになりがちだ。
「下手なことを言うと嫌われるのではないか」「銀行が何を考えているのか分からない」「数字について説明するのが得意じゃない」といった理由からかもしれない。
しかし、銀行とのコミュニケーションを避けるのはとても損なことだ。融資の交渉も、コミュニケーション次第で大きく変わってくる。基本は、嘘はつかない、こまめに情報提供する、こちらの基本的な考え方を理解してもらうようにする、ということだ。
話すのが苦手というなら、簡単な文章にまとめるのでもいい。とにかく、自社のこと、自分のことを相手にどれだけ理解してもらえるかが勝負である。
数字に基づく根拠を示して、銀行の信用を得る
実は、銀行の担当者も支店も、新規融資先をどれだけ開拓したか、融資額をどれだけ増やしたかで本部から評価される。もちろん、貸した先の経営が悪化して返済が滞ったりするのはいけないが、融資をしなければ仕事にならないのが銀行業というビジネスだ。
このある意味、矛盾するスタンスを理解すれば、どのように銀行と付き合えばいいかが分かるのではないだろうか。
ポイントは、「事業が好調で資金需要があり、借りたらきちんと返せる企業」というイメージを持ってもらうことだ。
それにはしっかりした数字に基づく根拠が必要であり、口先だけで「うちは儲かっている」「もっと伸びる」などと言っても信用されない。