(※写真はイメージです/PIXTA)

北方領土について、多くの国民に「日本の領土を不法占拠されている」という共通認識はあるものの、裏にある“問題の本質”に気付いている人はほとんどいないと、東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏はいいます。「憲法9条」と戦後の日本を巡る世界の動きから、北方領土問題の真実をみていきましょう。

「北方領土問題」に隠されている“裏”の真実

【宮澤】押し付けられたものだからといって憲法9条を変えても独立はできません。北方諸島問題を完全に円満に解決して日本の領土に再編入し、戦前の日本の地図に戻さないと独立ということにはならない。それと自衛隊の正規軍化です。

 

9条の最高法規性と自衛権行使を辛うじて読み込めることは認めますが、それでも憲法の問題は、独立とは関係ありません。

 

北方諸島の問題がどうしてぐちゃぐちゃになってしまったかというと、アメリカとソ連は、確かに戦後しばらくは足並みを揃えていました。その後に仲たがいして、ソ連はアメリカの敵国になった。しかし、ソ連は相変わらず戦勝国ではあり続けました。戦勝国の地位というのは永久に不可侵です。

 

そうした関係性のなかで、ソ連がぶんどった四島には領土問題などないということにされてしまったわけです。

 

北方領土に関しては、国民の間に少なくとも、日本の領土を不法占拠されているというコンセンサス、共通の認識はありますよね。

 

けれども、北方四島の返還が独立のための必須の条件だ、というところまで知っている人はなかなかいません。北方領土問題にはそういう裏の真実があることを知らずにいる人が多過ぎます。

 

 

矢作 直樹

東京大学名誉教授

宮澤 信一

国際実務家

 

※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

 

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※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

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矢作 直樹

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