「思い込み」センサーを作動させない
「この人には言いやすい」と思うことや、反対に「この人には強く言いにくい」と感じることはありませんか? 怒りは、身近な相手に対して強くなりがちです。
これは、怒りの性質のひとつと言えるでしょう。
長く一緒に過ごすパートナーや家族、職場の人に対しては、「思い通りに動いてくれるはず……」「言わなくてもわかるはず……」という思い込みや甘えが働きやすいものです。
そこまで親しくない人が相手なら、多少の遠慮がある分、強く怒ることもないはずですが、身近な人が相手になると、イライラする気持ちをそのままぶつけてしまうことが少なくありません。
これも、怒りの性質だと知っておくといいでしょう。
大切な人にカッと怒りがわいたときには、一度立ち止まってみましょう。
そのまま感情をぶつけてしまわないように、意識できるといいですね。日頃から心がけていれば、関係性を良好に保つことができるはずです。
「こうあるべき」を押しつけない
「こうあるべき」という自分の価値観に人が従わないと、ついイライラして指摘してしまう人がいます。
個人の価値観に、「合っている」「間違っている」はありません。
余計な怒りがわかないようにするには、人に対して何か伝えたいことがあるとき、「わたしは、こういう考えを大切にしている」ということだけを話し、批判しないようにとどめましょう。
「こうあるべき」という考えにこだわると、その分だけイライラすることが増えて、どんどん苦しくなってしまいます。組織やチームで重要な決め事をする場合には、ルールを共有することが大切です。
個人の価値観に関わることは、相手に強要することではないので、線引きには配慮したいところです。
「自分はこういった考えを持っているけれど、そうでない人もいるし、別の考えの人もいる。「それぞれ違っていい」ととらえるようにしたほうが、心がラクになりますよ。
怒りの連鎖を断ち切る
日本アンガーマネジメント協会の理念に、「怒りの連鎖を断ち切ろう!」という言葉があります。怒りには、身近な対象ほど強くなり、力関係の上から下へと連鎖するという性質があります。
アンガーマネジメントができずに怒りに振り回されてしまうと、上司から部下へ、親から子へと怒りが連鎖していくことが考えられます。
でも、一人ひとりがアンガーマネジメントを実践できるようになれば、怒りの連鎖を断ち切ることができるのです。
そして、大切な人を傷つけずに、お互いが責め合うことのない、よりよい社会になるのではないでしょうか。
アンガーマネジメントは、誰でも取り組めます。性別、年齢、職業、学位に関係なくすべての人が簡単に、そしてシンプルに、繰り返しできる方法です。
ぜひ日常にアンガーマネジメントを取り入れてみませんか?