本記事のポイント
・逆イールドと景気後退に因果関係はない
・インフレの落ち着きと底堅い雇用で、米国経済はリセッションには至らない
米国の景気が予想しづらくなっている
「やはりダマシだったか……」
昨日発表されたフィリー(フィラデルフィア連銀景況指数)の結果をみて、思わずそんな言葉が口をついて出た。
今週初に発表されたエンパイア(NY連銀製造業景気指数)は大幅に改善した。マイナスの市場予想に反してプラス10.8と大幅に改善。新規受注や出荷が伸びた。米国製造業の景況感悪化に歯止めか? と期待をもたせるような数字だった。
ただし、エンパイアは非常にボラタイルだ。昨日(2023年4月20日)出演したモーサテでも、「ギザギザしてるでしょう?」といったら、MCの塩田アナが「振れが大きいんですね」とうまくフォローしてくれた。「そうなんです。だからダマシの可能性も高いんですよ」と述べたのだ。
だからこそ、「フィリーに注目だ」といった。もしフィリーもエンパイアと同じような結果になれば、信じられると。
しかし、4月のフィラデルフィア連銀景況指数はマイナス31.3と予想以上の落ち込みとなった。フィリーがエンパイアに反する結果となったことをどうとらえるべきか。やはりボラタイルなNY連銀の指数が、たまたま異常値となったのだろうか?
必ずしもそうとはいえない。フィリーの項目のなかでは新規受注、出荷、受注残、雇用者数、週平均就業時間などは前回から改善した。これはNY連銀の指数と一致する傾向だ。製造業の受注や出荷はよくなっている。悪化したのは仕入価格、販売価格、入荷遅滞や在庫である。
これらを総合したディフュージョン・インデックス(DI)はマイナス31と大幅悪化だが、中身をみると「景況感」という意味ではそれほど悪くなっていないのだ。仕入れ価格など、価格に関する項目が鈍化しているのは、むしろ朗報であろう。
こうなってくると4/21発表の製造業購買担当者景気指数(PMI)が俄然、注目度が高くなる。PMIは2ヵ月連続で改善し、もう少しで好不況の境の50に届こうかという水準となっている。
ただし、これも一本調子で低下を続けるISM製造業景況感指数とは反する動きがこの2ヵ月続いている。
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