(※写真はイメージです/PIXTA)

相続に関するトラブルの中に、「残された遺産をどのようにして分けるか(遺産分割)相続人の間で意見がまとまらず、揉め事に発展してしまった」ということがあります。そして、遺産分割に関する揉め事は近年増加傾向にあります。遺産分割が揉め事に発展しやすい理由の一つとしては、相続財産の大部分を不動産が占めているということが考えられることをご存知でしょうか。そこでここでは、不動産が遺産分割において、どのようにして争いの火種となっていくのか事例を見ながら検証していきます。

10年以上ぶりに再会した二人…「双方の言い分」は?

DとEはいとこ同士の関係になりますが、10年以上ぶりに再会し、話し合いをすることになりました。双方の言い分は以下の通りでした。

 

●D→E

 

賃料収入が減ってきており、生活が苦しい。賃貸マンションの持ち分を買い取ってもらえないのであれば、第三者に売却するしかない。共有持ち分の売却は難しいので、一括売却したい。

 

●E→D

 

そもそも賃料収入が減っているのはDによる維持管理が悪いから。あまりに勝手すぎる言い分であり、父の意向も考えると売却には同意できない。

 

いかがでしょうか。このようなケースでは訴訟(共有物分割請求訴訟)にまでいたることも考えられ、最悪の場合だと競売によって第三者の手に渡ってしまうこともあります。そうなるとA(E)とBにとっては泣き寝入りするしかないわけです。

 

 

佐藤 良久

GSRコンサルティング株式会社 代表取締役

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『そうだったのか! 相続のトリセツ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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