興奮状態にあるお客様には「謝罪の3段活用」でクールダウンをはかる
◆お客様から肯定の言葉を引き出す
誰しもイライラすると、余裕がなくなります。トラブルを抱えたお客様はなおさらのこと。「フィードバック」「謝罪」「共感」の話法を活用しても聞き入れてくれないほどお怒りの場合は、単純な言葉では対応しきれず苦労します。
たとえば、すみません、申し訳ございません、とひたすら謝ると、「それしか言うことないの?」とはね返されます。「なるほど」「たしかに」という単純な言葉を繰り返すと、いい加減な対応だと怒りが増すことに。
このように興奮状態にあるお客様の場合は、現在・過去・未来の3段階の視点で細やかに共感、謝罪していくのがオススメです。
以下の例で見ていきましょう。
対応者:このたびはサービスがいたらず、誠に申し訳ございませんでした。
お客様:本当よ、忙しいなか来たのに、散々待たされて一日無駄になって、どうしてくれるのよ。
対応者:お忙しいところ、お時間を割いてご来店いただきましたのに、ご期待に添えられず、ご迷惑をおかけしました。
お客様:ほんと迷惑したわ、仕事の合間をぬって、わざわざ来たっていうのに。
対応者:ご不快な思いだけでなく、お仕事の合間にご面倒までおかけすることになって、大変恐縮でございます。
お客様:まったくそうよ。でも、そうやって丁寧に謝ってくれると……。私もカッとなってしまったし。これからは気をつけてもらえれば〜〜。
上記では、現在、過去、未来のそれぞれで、お客様の窮状を察する言葉を投げかけています。
その瞬間、お客様の心情には、「わかってくれている」という安心感が生まれ、「ほんと迷惑した」と、同意を得られるのです。
つまり、共通理解が得られたということ。対応者との間に共感性が生まれると、否定的だったお客様の気持ちも肯定的に変わっていきます。
古谷 治子
マネジメントサポートグループ
代表
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