(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今、クレームの域を通り越した「カスハラ」が社会問題化しています。クレームには自社の商品・サービスの改善のヒントが眠っていることもあります。しかし、過度なクレーム・カスハラに対応する職員の精神的負担は計り知れません。本記事では、CSマナー・クレーム対応の第一人者である古谷治子氏が、著書『カスハラ・クレーム対応 最強ノート』(ビジネス教育出版社)から、カスハラ・クレーム対応の方法について解説します。

お客様の不満に焦点を絞ってお詫びする

◆話をすべて聞かないままの「全面謝罪」は危険

初期対応では謝罪が大事、と言われても、クレームの場で最初にお詫びすることに抵抗を感じる人は少なくありません。

 

実際に窓口対応の方々からは、「こちらに非があるとは限らないのに」、「最初に謝ってしまうと全面的に相手の言い分を聞かないといけなくなってしまうのではないか?」、あるいは「訳もわからないまま頭を下げると、かえってお客様を怒らせてしまいそう」というご質問をよく受けます。

 

たしかに欧米では、弁済や弁償請求を認めることになるため、簡単に謝らないほうが良いともいわれます。

 

しかし、クレームが発生した時点で唯一わかっていることは、お客様が不満に思っているということ。適切に謝罪するのは基本中の基本です。

 

とはいえ、話をきちんと聞かないまま、「すべてこちらの責任です」と、頭を下げてしまうのは危険です。受け止め方によっては非を全面的に認めることになってしまいます。

 

◆お客様の話に集中して「部分謝罪」する

適切な謝罪とは、「お待たせして申し訳ございません」「ご案内が行き届かずご迷惑をおかけしました」というように、お客様が不満に思っていることにポイントを絞って「部分(的に)謝罪」(限定付き謝罪ともいう)することです。

 

クレームが発生するとお客様は対立の態勢になりがち。ですから、最初に謝罪することで、スタート地点に立てると思ってください。

 

[図表2]全体謝罪と部分謝罪の違い

 

お客様の言葉に圧力を感じることがあるかも知れませんが、その状況から早く脱出するためにも、部分謝罪は有効です。適切にお詫びすることでお客様の怒りを一旦落ち着かせ、冷静に話ができる状況へと進めることができます。

 

どこに謝罪の焦点を当てるのかを見極めるには、お客様の話をしっかりと聞くこと。

 

丁寧に耳を傾けることは、商品やサービスにどんな問題が起こったのかを探る上でも重要です。

 

 

古谷 治子

マネジメントサポートグループ

代表

 

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カスハラ・クレーム対応 最強ノート

カスハラ・クレーム対応 最強ノート

古谷 治子

ビジネス教育出版社

お客様のクレームは、自社を発展させる薬でもあれば、職員を退職へと追い込む毒でもあります。そのため正しい取扱方を学びましょう。

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