手取り月17万円の46歳・非正規男性…貧困・孤独に追い打ちをかける“唖然の年金額”に思わず「僕の人生に救いはないの?」【CFPが助言】

手取り月17万円の46歳・非正規男性…貧困・孤独に追い打ちをかける“唖然の年金額”に思わず「僕の人生に救いはないの?」【CFPが助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

大学卒業が就職氷河期とぶつかり、新卒以来非正規雇用で働いてきた46歳のAさん。月々の手取り額は月17万円です。ある日ねんきんネットで将来の年金受給見込額を確認したAさんは”唖然”。貧困・孤独に追い打ちをかけるような衝撃の金額に、思わず「僕の人生に救いはないの?」と途方に暮れてしまいました。そんなAさんに、牧野FP事務所の牧野CFPはどのような助言をしたのでしょうか。みていきます。

Aさんが収入を増やす方法は“無限”にある

FPがAさんに行った「3つ」の助言

筆者は、いまのAさんにとっては厳しいかもしれませんが、とにかく老後の心配が少しでも解消できるよう、以下の3つの助言をしました。

 

1.貯蓄をする

2.複数の職場を掛け持ちして、収入を増やす

3.国の就職氷河期世代への支援策を利用する

 

それぞれ順番にみていきましょう。

 

1.貯蓄をする

Aさんの現在の収入から、毎月1万円ずつ20年間積み立てていけば、65歳には240万円貯まります。そうすれば、65歳以降年金を受給して、生活に足りない分は貯蓄を取崩しながら生活していくと85歳くらいまで生活できます。

 

また、65歳で仕事を辞めず給与が入れば、さらに貯蓄を続けながら、より余裕を持った生活ができるでしょう。

 

2.複数の職場を掛け持ちして、収入を増やす

貯蓄をするだけでは心許ないかもしれません。それならば、Aさんの話では時間に余裕があるようですので、複数の職場をかけ持ちして収入を増やし、その分の収入を老後のために貯めていくのもひとつの手です。

 

3.国の就職氷河期世代への支援策を利用する

現在、国(各省庁)や自治体に加え一部の民間企業においても、Aさんのような就職氷河期世代に向けた支援プロジェクトが展開されています。

 

厚生労働省の特設サイト「就職氷河期世代の方々への支援策」や「都道府県別支援活動のご紹介」などを見て、興味がある内容があれば積極的に問い合わせし、参加してみるといいでしょう。

※ 厚生労働省就職氷河期世代の方々への支援策
※ 厚生労働省特設サイト内「都道府県別支援活動のご紹介」

 

Aさんはさまざまな技術を身につけているようですから、国の支援などを利用し、その技術を収入が得ることができるまでレベルアップを図るのは、難しいことではないかもしれません。

 

以上のような対策を実行しながら収入を増やし、あわせて貯蓄する金額も増やしていけば、老後の生活の心配は少なくなるはずです。

 

アパートを引き払い、実家に帰るのも手

Aさんは正社員で就職できなかったことで、父親とわだかまりが生じ、実家とは疎遠になっているそうです。しかし、時が経ち、「結婚は諦めたし、実家に帰ってもいいかも」という思いが出てきたようです。

 

Aさんはひとりっ子ですから、実家に帰って両親と一緒に生活をしながら、新しい職場を探して収入を得るのもいいでしょう。Aさんの話では、実家の2階にあるAさんの部屋は、そのままになっているはずだといいます。

 

このように考えると、Aさんが収入を増やす方法は“無限大”です。

まとめ…自分の人生は自分でつくる

Aさんは、大学時代までは積極的で、誰とでもすぐに打ち解けることができたそうです。しかし、希望する会社に就職できなかったこともあり、だんだんとなにをするにも消極的になり、親しかった友人とも疎遠になってしまったといいます。

 

しかし、後日話を聞いてみると、筆者への相談をきっかけに久しぶりに連絡してみたところ、みんな心配していてくれたようです。Aさんは「悶々と将来の心配をするよりも、いまできることを積み重ねていけば、心配も減るだろう」と明るく話してくれました。

 

自分の人生は、「自分でつくって楽しむもの」だと気がついたようです。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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