「余剰資金は自社株買い」の流れに米国、日本も追随へ
こうして余剰資金を自社株買いに振り向ける機運が急速に高まっている。自社株買いは2021年度8兆円、2022年度は10兆円に上ったとみられるが、2023年には15兆円規模まで飛躍し、最大の日本株買い主体になるかもしれない。
米国ではリーマンショック以降の12年間で株価は7倍と急騰したが、この株高を唯一けん引したのが累計4.5兆ドルに上る企業の自社株買いである。米国企業は利益のすべてを配当と自社株買いで株主還元してきたが、それによる大幅な株価の値上がり益等で米国家計の純財産が90兆ドル(GDP比4倍強)も増え、それが米国の旺盛な消費を支えてきた。日本でも米国のように好循環が起きる可能性が濃厚になってきた。
国民を巻き込んでの「株式投資ブーム」なるか
岸田政権の資産所得倍増プラン「NISA」の改革で、個人資金の預金から株式への大きな資金シフトが始まっている。企業の自社株買い、家計の長期積み立て投資、機関投資家の債券から株へのシフトなど、日本人は全員参加型の株式投資に踏み出す前夜にあるといえる。
日本株の出来高は、長らく外国人7割、日本人3割と、日本国内投資家不在の状態が続いてきた。これが変わるとなれば、外国人投資家が活気づくのも当然であろう。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
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