低金利時代は終わっていない
50年ぶりのインフレ、40年ぶりの急速な利上げ・引き締め、バブル化した資産価格の下落、等により、ディスインフレ、金利低下の時代は終わったとする見解が台頭していた。
ここ1年の金融市場の焦点は、レジームは変わったのかの見極めであった。武者リサーチは注意深くこの点を追跡してきたが、結論が出つつある。
レジームは変わっていない、やはり低金利の時代は終わってはいないのである。
世界的低金利再来の下では、日銀の政策転換は大きくずれ込もう。みすみす円高を将来招きかねない金融政策転換は、政権も世論も容認しないだろう。
ここ1年間で以下の4点はほぼ確かになった。
1.インフレは一過性、2年もすれば元に戻る
2.低金利趨勢も変わらない。インフレが定着しないように、との予防的金融引き締めの役割は終わった、過去40年間で最大の長短金利逆ザヤの弊害は深刻化する
3.低金利時代が終わらないとすれば、資産価格はバブルではない
4.新産業革命は続いている
インフレ・高金利時代到来との想定に基づく投資ポジションは、早急に是正されるべきであろう。
インフレは一過性、元に戻る
一次的なインフレ要因は完全に解消されたとみられる
一過性の資源価格、サプライチェーン混乱のインフレが、FRBの迅速な対応により、定着することはなかった。あと1年でインフレ率は顕著に低下するだろう。
図表1は米国CPIの項目別寄与度推移である。
![[図表1]米国物価上昇率(CPI)項目別寄与度推移 出典:武者リサーチ](/mwimgs/7/3/540/img_7386eb6aeaf6d367ed124e733863b02e43233.jpg)
1年前のインフレの主因である、エネルギー要因(緑)とサプライチェーン混乱要因(灰色)は完全になくなった。食料品と賃金上昇を主因とするコアサービス価格で今なおインフレは残るが、これも1年かけて大きく鈍化していくだろう。食料品価格上昇は原料・エネルギーコスト上昇が主要因であるが、それはすでに過去のものである。
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