「自律型社員」が必要な背景
アフターコロナで、働き方はもとに戻るのか?
筆者は、今回の新型コロナウイルスは、多くの企業と個人に気づきを与え、ある領域においては、よい変化をもたらしたと思っています。筆者自身もテレワークを活用し、通勤にかかっていた時間で家事をしたり、家族と夕食を一緒に楽しんだり、生活が変わりました。出張もほとんど0になりました(コロナ前は、月の半分は東京と大阪を行ったり来たりしていました)。
よい変化を多くもたらしたにも関わらず、コロナ前の働き方に戻してしまうのか。ニューノーマル時代に合わせて進化した働き方、それを続けていくことができない企業は、持続的に成長していくことが難しいのではないかと考えてしまいます。
働き方は進化するも、人材は育っていない…
人事領域においてもテレワークが基本となり働き方が進化したことによって、人材マネジメントへの対応も必要となりました。コロナ禍で、企業活動における前提が大きく変化しています。その結果、社会や顧客の変化を敏感に捉え、自ら考え、行動して成果を残す「自律型社員」の重要性は益々高まってきていると考えています。
・ミドルマネジメント層の負担が過剰になっている
・新人・若手社員の立ち上がりが遅くなっている
このような課題を抱えておられる経営者や事業責任者の声を多く聞きます。自律型社員を育てるためには、学習の機会を提供するのではなく、行動や態度変容を促すことをサポートすることが大切です。
「自律型社員」の育て方
「短期的な事業の成果」・「中長期的な人材の育成」を同時達成する難しさ
先述のとおり、経営者やリーダーがいま、特に悩んでいることは「人が育たない」ことだと思います。リーダーは上から「人を育てろ」といわれるが、事業の目標を達成するために多くのミッションを抱えて忙しい。
人を育てること=事業の目標達成となればいいが、そうならないことで悩んでいる経営者やリーダーは多いのではないでしょうか。人を育てるには、時間と労力がかかります。人を育てるために、時間と労力をかけた結果、人は育ったが、事業の目標を達成することができなかった、では意味がないと私は考えています。
短期的な事業の成果と、中長期的な人材の育成を同時に達成することはとても難しいことです。しかし、それを実現できる企業や組織こそが、変化の激しいいまの時代を生き抜いていくことができると私は信じています。
テレワークにより、「会社のビジョン・価値観」の共有の機会が減少
事業を成長させ、人を育てるために必要なことは、「企業が実現したいビジョン」と「社員が成長したいベクトル」が同じ方向に向いていることが前提条件になると考えています。コロナ禍でテレワークが増え、コミュニケーションの機会が減ったため、ビジョンや会社が大切にしている価値観の共有が減った企業も多いのではないでしょうか。
経営者やリーダーが見ている景色と社員が見ている景色は違います。視座が違うからです。そのギャップを埋めることができず、社員が不安を感じたり、企業経営に不満を持ったりすることで、優秀な社員が離れていった、という話もよく聞きます。
人を育てるうえで私が最も重要と考えているのは、企業が目指すビジョンを明確に掲げ、社員と共有することです。
しかしながら、経営者やリーダーの時間は限られています。自分の限られた時間のなかで、事業を成長させるためには、自社のビジョンに共感し、それを実現したいと本気で動いてくれる人材、まさに自律型社員を率先して育てることが重要だと考えます。
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