(※画像はイメージです/PIXTA)

新学期で子どものため自転車を購入する人が多い季節です。多くの地方自治体で「自転車保険」が義務化されています。自転車事故で人を死傷させた場合の賠償金も高額化しています。しかし、義務だからといって、自転車保険に新規加入しなければならないかは別の問題です。なぜなら、既に自転車事故をカバーする補償を備えていることがあるからです。本記事では、自転車保険に加入する前に確認すべきポイントについて解説します。

義務化された「自転車保険」とは

自転車保険の補償内容は、厳密には主に以下の2つです。

 

【自転車保険の主要な補償内容】

1. 人を死傷させたり物を損壊させたりした場合の賠償金等をカバーする補償

2. 自転車が損壊した場合や盗難に遭った場合の補償

 

これらのうち、「義務化」がされている「自転車保険」は、前者の賠償金等の補償です。後者については求められていません。

 

それには理由があります。

 

特に、自転車事故で被害者が死傷した場合、賠償額は多額になることがあります。死亡の場合は億単位になることもあります。また、ケガの場合でも、以後働けなくなったり後遺障害が残ったりすれば、賠償額は大きくなります。

 

その場合、賠償金が支払われないと、被害者ないしはその家族が困窮することになります。

 

自転車保険における賠償金等の補償には、加害者の資力の不足をカバーするというより、むしろ、被害者保護を確実なものにするという意義が大きいのです。

自転車保険と同じ補償をカバーする「特約」の確認を

このように、「自転車保険の義務化」という場合、そこでいう自転車保険は、人を死傷させたり物を損壊したりした場合の賠償金等の補償をさします。

 

したがって、重要なのは、「自転車保険」という保険商品名ではなく、上記補償内容を備えていることです。

 

そこで、確認していただきたいのが、「火災保険」と「自動車保険」です。

 

これらの保険商品の多くは、「個人賠償責任特約」という特約を割安な保険料で付けることができます。

 

個人賠償責任特約は、日常生活において過失によって事故を起こし、第三者に損害を与えた場合に賠償金等をカバーしてくれるものです。もちろん、自転車事故も対象です。

 

契約者だけでなく、配偶者、子、同居の家族等が事故を起こした場合も対象となります。

 

したがって、火災保険か自動車保険のいずれかに個人賠償責任特約を付けている場合は、改めて自転車保険に入る必要はないといえます。

 

もし、現時点で付けていないとしても、後から付けることもできます。

 

しかも、補償範囲は日常生活で発生した事故一般なので、自転車保険よりも補償範囲は格段に広いのです。

 

もし、新たに自転車保険に入らなければ、という場合には、まず、加入中の火災保険と自動車保険を確認することをおすすめします。また、火災保険と自動車保険のどちらかだと、火災保険に付保することをおすすめします。火災保険は保険期間が長いことが多く、更新し忘れて補償が途切れるリスクが低いからです。

 

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