育児休業を男性が取得すべきワケ
育児休業は、男性より賃金の低い女性が取るケースが多いが、国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査」(2015年)によれば、第一子妊娠前に非正規社員だった場合、育児休業を利用して就業継続した割合は10%に過ぎない。
育児休業を取った女性は、乳児と24時間向き合う母親として育児専業化されてしまう。産前は対等だった夫婦の関係が、1年の育休で変わり、家庭内で役割分担が固定しないようにするには、父親の育休取得を義務化すべきである。
2019年度の育休取得率は女性83.0%、男性7.5%である。ただし、男性の育休が「取るだけ育休」にならないように、炊事、洗濯、ごみ出し等の家事や乳幼児の入浴、おむつ替え、ミルクづくり等の育児に関するリテラシーを身に付けてもらわないと、かえって妻の負担になる可能性もある。
そして、このような家事、育児に関するリテラシー獲得を目指す取組みは、シングルファーザーになった場合にも役立つ。
西野 卓郎
特別区長会調査研究機構 主任研究員