「え?貸借対照表ってこんなに簡単だったの?」誰でも一発でその会社が「潰れそうか」を見抜ける5つのポイント【元融資担当者が解説】

「え?貸借対照表ってこんなに簡単だったの?」誰でも一発でその会社が「潰れそうか」を見抜ける5つのポイント【元融資担当者が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

貸借対照表は、企業の経営状況を示すものであり、読みこなすことは企業経営者や投資家にとって必要不可欠です。金融機関で数多くの企業の融資業務に携わった経験をもち現在は行政書士として活躍する黒木正人氏が、著書『企業の持続性を見極める 決算書の読み方と業種別のポイント』(ビジネス教育出版社)から、一目でその会社の経営状態がわかる「貸借対照表」の読み方について解説します。

「負債」・「純資産の部」の主要科目を読み解くコツ

[図表3]負債・純資産の部の主要科目

 

[図表3]の「負債」の勘定科目を見てください。上からすぐに返済をしなければならない順番に並んでいます。このように負債の部の科目は、上から早く返済しなければならない危険な順番に並んでいるといえます。

 

◆資金の運用

貸借対照表の右側のボックスで調達した資金を左側のボックスで運用することで、企業は会社を安全に成長させようとします。

 

貸借対照表の「資産の部」を読むときは、上から順番に読むようにします。なぜなら資産の部の勘定科目は、上から現金になりやすい勘定科目が、下に行くほど現金になりにくい順番で並んでいるからです。

 

[図表4]資産の部の科目は下に行くほど現金になりにくい順に並んでいる

 

資産の部で一番重要なのは、「現金・預金」です。現金・預金がないと企業はどれだけ売上をあげていても潰れてしまいます。現金・預金をいかに大きくするかで、企業の寿命が決まるともいえます。

 

したがってある意味企業の究極の目的は、現金・預金を増やすことともいえます。

 

しかし一方で現金・預金がありすぎても、それを他の資産で運用しないと企業の成長はあり得ません。企業は現金・預金を使って売れ筋商品を多く仕入れて販売したり、前向きの設備投資をしなければ成長することができません。

 

したがって資金の運用を読むには、貸借対照表の右側のボックスで調達した資金を左側のボックスでどのように運用しているかを見なければなりません。

 

そのバランスのさじ加減をいかに読むかが貸借対照表を読む大きなポイントです。

 

「資産の部」は、受取手形→売掛金→在庫→車→土地・建物→リゾート会員権など、下に行くほど現金になりにくいもので運用しています。

 

決算書を企業の安全性という視点で見ると貸借対照表の左上と右下を大きくすることが、企業経営の安全性では重要判断といえます。

 

 

黒木 正人

黒木正人行政書士事務所

行政書士・宅地建物取引士・ファイナンススタイリスト

 

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企業の持続性を見極める 決算書の読み方と業種別のポイント

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黒木 正人

ビジネス教育出版社

会社の安全性・収益性・成長性を読み取り、課題を探す力が身につく書。融資力アップに役立つ主な業種ごとのトレーニング事例も収録。

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