【弁護士が解説】知らないと怖い…「未成年のYouTube配信」で保護者に生じかねない“デメリット”と「収益化」の落とし穴

【弁護士が解説】知らないと怖い…「未成年のYouTube配信」で保護者に生じかねない“デメリット”と「収益化」の落とし穴
(※写真はイメージです/PIXTA)

YouTube等のSNSやインターネット掲示板は、誰でも気軽に投稿ができる一方で、誹謗中傷が行われ拡散されることがあります。本記事では、ITエンジニアの経歴をもつ弁護士・河瀬季氏が、著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)から、未成年者がYouTubeで動画配信を行う場合に問題となる点について解説します。

YouTuberが未成年である場合

◆未成年のYouTuberを持つ保護者が知っておくべきこと

Q.小学生や中学生など、未成年のYouTuberも多くいますが、未成年者特有の問題や、保護者が知っておくべき問題について教えてください。

 

A.YouTubeでアカウントを作成できるのは、13歳以上という年齢制限があります。

 

自分名義のアカウントを持つことができるのは、おおむね中学生以上ということになります。小学生YouTuberの活躍をよく耳にするようになりましたが、彼らは親のアカウントを利用して出演しているわけです。

 

◆13歳以上であれば収益化できる?

Q.13歳以上であれば収益化してもよいのでしょうか?

 

A.まず、YouTubeの動画配信で収益を得るためには、サイト運営者向けのサービスであるGoogle AdSenseを利用する必要があります。

 

Google AdSenseにより、関連する広告が表示されます。広告は、商品やサービスを宣伝する広告主によって作成され、費用が支払われるわけです。テレビと同じですね。

 

YouTubeの動画配信を収益化するためには、YouTubeとGoogle AdSenseのアカウントを作成する必要があります。

 

このGoogle AdSenseのアカウントは18歳以上でないと作成できません。18歳未満の場合、自分のアカウントではYouTubeの動画配信を収益化することはできないということになります。

 

たとえば、YouTuberとして動画配信を始める時に17歳だった場合、自身のアカウントでYouTubeの動画配信を収益化することはできません。両親にGoogle AdSenseのアカウントを作ってもらい、利用を許可してもらわなければなりません。

 

◆もしトラブルに巻き込まれたら

Q.未成年者がYouTubeで収益を得ることで、両親に影響があったりするのでしょうか?

 

A.両親が収益を得ているわけではありませんから、両親が勤務する会社の兼業禁止規定に抵触したりはしませんが、未成年者でも16歳以上の場合、YouTubeで収益を得る額によっては、ご両親の納税額に影響することがあります。

 

16歳以上23歳未満の場合、一定の要件のもとでは保護者の所得から一定の金額が控除される「扶養控除」という制度があります。子どもの収益が一定額を超えると、保護者は扶養控除を受けられなくなり、結果として納税額が増えることもあります。

 

Q.未成年者がYouTubeでトラブルに巻き込まれた場合、両親に影響があるのでしょうか?

 

A.未成年の子どもが配信するYouTubeチャンネルは、登録者や視聴者も若年層であることも多く、ご両親にはチャンネルのコメント欄が炎上することやSNS等での炎上に巻き込まれるリスクが高いことを、あらかじめ理解しておいてもらう必要があるでしょう。

 

場合によっては、ご両親に迷惑が及ぶ可能性もあります。

 

YouTubeのような不特定多数の人の目に触れる場で、第三者の名誉を毀損する内容の動画を配信したり、第三者の著作物や肖像を無断で利用したりすると、慰謝料を請求されるリスクもあります。

 

どのような配信をしているかよく説明し、内容を把握しておいてもらう方がいいでしょう。

 

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※本連載は河瀬季氏の著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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