いちいち「国土交通大臣」「警察署長」の許可が必要!? ドローンのライブ配信で守るべき「法令」とは【弁護士が解説】

いちいち「国土交通大臣」「警察署長」の許可が必要!? ドローンのライブ配信で守るべき「法令」とは【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今やもっとも身近なメディアのひとつとなった「YouTube」。誰でも動画を撮影してアップロードできますが、ルールをよく理解せずに利用しているケースも多く見受けられます。本記事では、元ITエンジニアでITに詳しい弁護士・河瀬季氏が、著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)から、ドローンを用いた撮影を規制する法令等について解説します。

YouTubeとドローンのライブ配信

◆ドローンを利用する時の注意点

Q.最近では、ドローンを使用する機会も増えてきました。ドローンについての法規制は全く知りません。YouTubeでドローンのライブ配信を行うことは適法なのでしょうか?

 

A.ドローンとは、遠隔操作または自動操縦を行うことができる無人航空機のことですが、ドローンを利用してライブ配信を行う場合、広い範囲の撮影が可能となるので、様々なものが写り込む可能性がありますよね。そのため、他者の肖像権やプライバシー権を侵害してしまう可能性が生じます。

 

また、ドローンを墜落させてしまった場合には、他者が所有する建物や車を損壊してしまったり、他者に怪我をさせてしまったりする可能性があります。

 

他者の人権や財産などを侵害してしまうと、まず、民法第709条(不法行為による損害賠償)、同第710条(財産以外の損害の賠償)により、不法行為として、損害賠償を請求される可能性が生じます。

 

ドローンを利用してライブ配信を行う場合には、他人の権利や他人の財産などを侵害しないよう、注意をする必要があります。

 

次に、航空法との関係です。

 

航空法とは、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定めた法律です。この航空法に「無人航空機」に関する定めがありますが、ドローンはこれに該当するので、航空法の適用を受けることになります。

 

この航空法では、「飛行の禁止空域」が規定されています。

 

【航空法第132条の85(飛行の禁止空域)】※骨子のみ抽出して記載

何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない(第1項参照)。

1. 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域

2. 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空

 

ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。(第2項参照)

 

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※本連載は河瀬季氏の著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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