いちいち「国土交通大臣」「警察署長」の許可が必要!? ドローンのライブ配信で守るべき「法令」とは【弁護士が解説】

いちいち「国土交通大臣」「警察署長」の許可が必要!? ドローンのライブ配信で守るべき「法令」とは【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今やもっとも身近なメディアのひとつとなった「YouTube」。誰でも動画を撮影してアップロードできますが、ルールをよく理解せずに利用しているケースも多く見受けられます。本記事では、元ITエンジニアでITに詳しい弁護士・河瀬季氏が、著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)から、ドローンを用いた撮影を規制する法令等について解説します。

ドローン使用時に許可を得なければならないケース

航空法第132条の85第1項1号及び2号に該当する場所でドローンを使用しライブ配信を行う場合には、事前に国土交通大臣の許可を得る必要があります。

 

具体的には、空港周辺、ヘリポート周辺、地表又は水面から150m以上の高さの空域などでは、国土交通大臣の許可が必要です。

 

人口集中地区の上空での飛行についても、国土交通大臣の許可が必要になります。人口集中地区は、5年毎に実施される国勢調査の結果から設定されます。

 

人口集中地区については、以下のサイトで確認することが可能ですので、ドローンを使ってライブ配信を考えている場合には、事前に確認が必要です。

※ e-Stat政府統計の総合窓口「地図による小地域分析(j STAT MAP)

 

また、航空法では、「飛行の方法」についても規定されており(航空法第132条の86)、夜間の飛行、目視外での飛行、第三者または物件から30m未満の距離での飛行、催しが行われている場所の上空での飛行、危険物の輸送のための飛行、物件の投下のための飛行を行う場合には、国土交通大臣の承認が必要とされています。

 

そのため、ドローンを使用してライブ配信を行う場合には、事前に承認を得ることが必要になります。

 

道路交通法も関係してきますよ。

 

ドローンを飛行させる場合、道路ではなく上空を飛行させるため、原則としては、道路交通法上で規定されている道路の使用許可等は必要ありません。

 

ただし、「道路において祭礼行事をし、又はロケーションをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」(道路交通法第77条1項4号)に該当する場合には、管轄する警察署長の道路使用許可を得る必要があるのです。

 

ドローンを用いてライブ配信を行う場合、人気がある配信者であれば、ファンが集まり、一般交通に著しい影響が生じることも考えられます。

 

そのため、ドローンを使用してライブ配信を行う場合には、事前に道路の使用許可を得る、又は、道路交通法第77条1項4号に該当しないようにライブ配信を行うことが必要になります。

 

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※本連載は河瀬季氏の著書『IT弁護士さん、YouTubeの法律と規約について教えてください』(祥伝社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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