ほとんどの論文で「重篤な副作用」の報告はない
疼痛緩和や関節保護作用については、相反する報告が混在するグルコサミン、コンドロイチンですが、その安全性だけはプラセボと同程度ということで一致しています。
ほとんどの論文で数パーセントに胃腸障害などの軽微な副作用を認めるのみで、重篤な副作用の報告はありません。
私たちのデータでは、ひざ痛でNSAIDsを飲んでいる人にグルコサミン、コンドロイチンを併用させたところ、NSAIDsの服用が有意に減っていました。副作用のあるNSAIDsの服用を減らせれば、治療の安全性も高くなるはずです。
グルコサミンのサプリメントを飲んだ後、肝機能障害になったという症例が報告されていますが、このサプリメントにはハーブも入っており、どちらが肝機能障害の原因になったかは不明です。
「甲殻アレルギー」の人はグルコサミン服用に注意
基本的にグルコサミン、コンドロイチンの安全性は高いとされていますが、サプリメントにはほかに生薬やハーブなどの成分を配合している商品も多く、これらの安全性はよく分かっていません。
もしこうしたサプリメントを服用して体調不良を感じたら、医師の診察を受けてください。
グルコサミンはアミノ糖の一種であり、以前は糖尿病の人は摂取に注意するよう言われていましたが、グルコサミン投与により血糖値が変動することはなく、糖尿病の悪化例はほとんど報告がないことから、定期的にモニターしていれば問題ないと考えます。
グルコサミンの多くは原材料としてカニやエビを使っているため、カニやエビにアレルギーがある人は注意が必要です。甲殻類アレルギーの人は、植物を栄養源とした微生物から生成した製品を選んでください。