(※写真はイメージです/PIXTA)

大山昌之氏の著書『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』より一部を抜粋・再編集し、日本の財政について考えていきます。

財務省がやり続けてきた「絶対にやってはいけない事」

二つ目は、彼の主張する緊縮財政では、今の深刻な日本の財政状況を改善する事は、絶対にできないという点です。そもそも、この財務事務次官が前々から提唱しているプライマリーバランスの必要性を、わかりやすく説明するための図表として、有名な「ワニの口」というものがあります。

 

ワニの口

 

この図を使って彼は、日本政府の税収と歳出の差が年々広がっているため、日本の財政を立て直すためには、まずこのワニの口を閉じなければならない(年間の国債発行をゼロにする)という事を強く主張しています。

 

確かに、この話は間違ってはいませんが、しかしながらこのワニの口を閉じる方法として、長年財務省が主張している消費税増税が、そもそもピントがズレているのです。

 

例えば皆さんが焼肉屋の経営者だったとして、ある時お店の売上が一割落ちてしまった場合、売上を元に戻すため、皆さんなら一体どのような対策を立てるでしょうか?

 

イベントの日を作り、その日だけ激安でより良いお肉を提供したり、新しくSNSで会員を募るなど、方法としてはいろいろ考えられますが、しかしこれだけは絶対にやってはいけない事があります。それは、お客さんにバレないように黙って肉の質を落とす事です。

 

もしそんな事をしてしまえば、来なくなったお客さんだけでなく、今来てくれているお客さんの信用まで失ってしまうからです。

 

今来てくれているお客さんは、あくまでこの値段と、この肉の質に納得してお店に来てくれているのです。しかしこれと同じような事を、実は長年、財務省は財政再建のためにやり続けてきました。

 

 

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大山 昌之

1972年8月1日名古屋生まれ。

1998年、コロムビア観光株式会社に入社。おもに会社の管理運営、及び、財務を担当し、2012年に代表取締役社長に就任。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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