(写真はイメージです/PIXTA)

国内経済は、民間消費を軸に回復基調にある。住宅市場は、マンション等の販売状況がやや弱含むなか、価格の上昇ペースが鈍化している。オフィスセクターの調整は小休止した。東京23区のマンション賃料は、コロナ禍における調整局面を脱している。ホテル市場はコロナ禍前の水準を回復した。物流賃貸市場は、首都圏の空室率が上昇した一方、近畿圏の空室率は横ばいとなった。ニッセイ基礎研究所の佐久間誠氏によるレポートです。

4―J -REIT(不動産投信)市場

2022年12月末の東証REIT指数( 配当除き)は9月末比▲2.6%下落した。セクター別では、オフィスが▲3.0%、住宅が▲4.8%、商業・物流等が▲1.7%となった(図表7)。11月まで底堅く推移していたものの、12/20に日本銀行が想定外の金融政策修正を発表したことを受けて下げ足が強まった。

 

【図表7】
【図表7】

 

J-REITによる2022年第4四半期の物件取得額(引渡しベース)は3,023億円(前年同期比▲31%)となり4四半期連続で前年同期を下回った。この結果、年間の取得額は8,783億円(▲45%)にとどまり、10年ぶりに1兆円を下回った。アセットタイプ別の取得割合は、物流施設(38%)、オフィス(29%)、住宅(22%)、商業施設(6%)、ホテル(2%)、底地ほか(2%)の順で、物流と住宅の比率が上昇する一方、オフィスのウェイトが昨年の46%から29%に低下し、物流に次いで第2位に後退した。

 

2022年のJ-REIT市場を振り返ると、東証REIT指数は▲8.3%下落し、国内株式の下落率(▲5.1%)を上回った銘柄数は61社で変わらず、時価総額は15.8兆円(前年比▲7%)に減少、運用資産額(取得額ベース)は21.9兆円(前年比+3%)で伸び率が鈍化するなど、規模の拡大は一服となった。一方、市場ファンダメンタルズは、市場全体の予想1口当たり分配金が前年比+2%となり、コロナ禍で落ち込んだ水準から回復基調にあり、1口当たりNAV(Net Asset Value、解散価値)も前年比+5%と高い伸びを確保した。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年3月7日に公開したレポートを転載したものです。

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