まだ間に合う「3月決算対策」の特効薬!最大300万円を一気に経費にできる「特例」…メリットもリスクも想像の斜め上をいくワケ

まだ間に合う「3月決算対策」の特効薬!最大300万円を一気に経費にできる「特例」…メリットもリスクも想像の斜め上をいくワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

この3月は、多くの企業が決算を迎える月です。今期大きな利益が出て「決算対策」に頭を抱えている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実のところ、決算期ギリギリだと、真に有益なものは数少ないといわざるを得ません。本記事では、そんな有効な決算対策の一つ、一気に最大300万円の経費を計上できる「少額減価償却資産の特例」について、制度内容と活用上の注意点をわかりやすく解説します。

少額減価償却資産の特例とは

少額減価償却資産の特例は、「1個あたり10万円~30万円未満」・「総額300万円以下」の事業用の「減価償却資産」を購入した場合に、購入代金の全額を当該年度の経費(損金)に算入できるというものです。青色申告を行っている中小企業・個人事業主が利用できる税制優遇措置です。

 

「減価償却資産」とは、事業に用いられる資産を広くさします。建物・建物附属設備、機械装置、器具備品、車両・運搬具などです。また、ソフトウェア等の無形のものも減価償却資産に含まれます。

 

なお、「1個当たり10万円未満」のものについてはこの特例を利用するまでもなく、全額を「消耗品費」として経費算入できます。

 

少額減価償却資産の特例を利用できる中小企業は、以下の要件をみたし、青色申告をしている必要があります。

 

・資本金・出資金の額が1億円以下

・常時使用する従業員の数が500人以下

 

少額減価償却資産の特例のメリット

少額減価償却資産の特例を利用するメリットは、資産の購入代金の全額を一気にその年度の損金にできるということに尽きます。

 

すなわち、本来、減価償却資産の購入代金は、その資産ごとの「法定耐用年数」に応じて「月割り」で「減価償却費」として費用計上していくしかありません。

 

しかし、少額減価償却資産の特例を利用した場合、資産を購入してその事業年度内に事業のための利用を開始すれば、購入代金の全額を一気に費用(損金)に計上できるのです。

少額減価償却資産の特例を利用する際の注意点

このように、少額減価償却資産の特例は、一気に最大300万円を経費計上できるうえ、決算期ぎりぎりでも利用できるメリットの大きい制度です。

 

しかし、その反面、注意しなければならない点があります。以下の2つです。

 

・無駄遣いに終わるリスクがある

・「税込処理」と「税抜処理」とで経費算入できる金額が異なる

 

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