(※写真はイメージです/PIXTA)

会社員や公務員なら、公的年金は給与天引きされるため原則的に払い漏れはない。だが、自ら国民年金を納付する必要がある自営業者・自営業者の配偶者・無職の人は注意が必要だ。「納付し忘れ」「手持ちがなく納付をパス」といった問題が起こりやすいからだ。もし「国民年金の未納期間」があったなら、将来の年金受取額にどれほど影響するのだろうか。

自分の年金の問題を直視できず、現実逃避&先送り

「いまはなんとか定職にありついていますが、これまでずっとアルバイトや無職の状態を繰り返してきました。その間、国民年金の保険料を納めていないことがたびたびあり…」

 

そんな50代男性は、手元に届いた「ねんきん定期便」を、これまで一度も開いたことがないという。

 

「見るのがあまりにも恐ろしすぎて…。未納期間がどれだけあるのか、年金額にどれほど影響しているのか、自分でも見当がつきません。だから『ねんきん定期便』を見ることができないのです」

 

この男性いわく、インターネットなどで年金について調べても、たいてい満額しっかり収めている事例ばかりで「自分にとってはなんの参考にもならないから、見るだけ無駄」とのこと。

未納期間がある場合、将来の年金はどうなる?

この男性のように、自分の置かれた厳しい現状から目を背けるばかりで、対策を取らないまま放置・問題を先送りしている人は少なくないのではないか。

 

「未納」期間がある場合、受給する年金額にはどのような影響があるだろうか。考えられるのは、①年金がもらえない、あるいは、②年金が減額される、という2つの可能性だ。

 

①年金がもらえない場合

 

65歳から国民年金を受取るためには、10年(120ヵ月)以上、年金保険料を納める必要がある。そのため、会社員(公務員)の期間が10年以上あれば、厚生年金保険料と共に国民年金保険料も給与天引きで納めているので問題ない。だが、これまで会社員(公務員)として働いたことがなく、国民年金保険料の未納期間が長く、納めた期間がトータルで10年に満たない場合、たとえ9年11ヵ月納めていたとしても、老後に年金は受取れない。

 

会社員(公務員)であった期間が10年未満で、それ以外の期間に国民年金保険料を納めていない場合は、さらに注意が必要だ。厚生年金は1ヵ月以上保険料を納めれば受取れるのだが、そもそもの前提として、国民年金の受給資格(保険料納付10年以上)を満たしている必要がある。つまり、この要件を満たしていない限り、会社員(公務員)であった期間に支払った年金保険料は払い損になってしまう。


②もらえる年金額が減る場合

 

65歳以降、いくら国民年金を受取れるかは次の式で計算できる。

 

●令和4年の場合

77万7,800円 × 納付期間分 / 480ヵ月

 

つまり、40年間すべて納付した人であれば、令和4年度は「77万7,800円」受取れるということになる。

 

では、未納期間1年につき、どれぐらい年金額が減るのか。

 

保険料が1年間未納だった場合

77万7,800円 × 468ヵ月 / 480ヵ月 = 75万8,355円

※ 39年間=468ヵ月

 

1年間の未納なら、受取れる年金額は「75万8,355」円。満額の77万7,800円と比べ、年間19,455円、月額1,620円の減額となる。

未納期間がある場合の「手当て」方法

未納期間がある場合はどうしたらいいのだろうか。それには、年金額を満額に近づける方法がいくつかある。

 

①2年以内の未納保険料を納付

 

年金保険料の納付期限は、納付対象月の翌月末日だが、納付期限から2年間は保険料を納めることができる。


②任意加入制度を活用

 

以下の条件を満たす人は、60歳以降も国民年金の保険料を納めることで受給資格期間や年金額を増やすことができる。

 

●日本国内に住所がある60歳から65歳までの人

●老齢基礎年金の繰上げ受給をしていない人

●60歳未満までの国民年金保険料納付月数が480ヵ月未満の人

●厚生年金などに加入していない人

※ 国民年金の受給者資格期間を満たしていない場合、65歳以上70歳未満の人も任意加入制度を利用できる。


③追納

 

納付猶予や学生納付特例を受けた期間がある場合、10年に遡って追納が可能。

「第1号被保険者」の期間がある人は、改めて確認を

国民年金保険料の未納期間があっても、上記制度が利用できるなら、年金額を満額に近づけることが可能だ。また、60歳以降も会社員として働き厚生年金保険料を納めることでも、国民年金の受給額を増やせる場合がある。

 

原則として、会社員(公務員)なら、国民年金の保険料は給与天引きされるため未納は発生しない。未納の可能性が高くなるのは、自身で保険料を納める必要のある、自営業者、自営業者の配偶者、無職の人等の「第1号被保険者」だ。20歳以降の学生であった期間も、親に払ってもらったつもりが、実は「未納」だったというケースは多い。

 

老後資金を少しでも多く確保するために、打てる対策はすべて打った方がいい。そのためにも「未納期間」から目をそらすことなく、ぜひ一度、じっくりと確認してみてほしい。

 

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