ひとり暮らし80代女性「それでも、自宅がいいんです」…転倒して死にかけても「在宅医療」を選ぶワケ【医師が解説】

ひとり暮らし80代女性「それでも、自宅がいいんです」…転倒して死にかけても「在宅医療」を選ぶワケ【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、より自然な死を迎えたいという理由などから需要が高まっている「在宅医療」ですが、具体的にはどのような場合に導入するべきなのでしょうか。また、ひとり暮らしでも在宅医療を導入することは可能なのでしょうか。今回は、実際に在宅医療を導入したひとり暮らしの80代女性の事例から、ねりま西クリニックの大城堅一院長が詳しく解説します。

患者本人・家族の感想

Aさん本人は住み慣れた自宅で生活できることに満足している、ということです。病院と違って自分のペースで暮らせるのがいいと、私たちや介護のスタッフにもよく話をしてくれます。

 

Aさんは独身で子どももなく、頼れる家族は遠方に住む弟さん一人です。弟さんはなかなか通院の付き添いなども難しいということでしたが、在宅で眼科の診療もできるようになり、付き添いの負担が減ったと喜んでいます。

 

主治医の解説

Aさんは80代後半になりましたが、現在も自宅で生活をしています。血圧や血糖の管理も必要ですが、朝晩の食事の準備や服薬見守りは訪問介護のスタッフが行うことで、無理のない生活リズムができています。

 

頸椎症の影響で歩行の不安定さが少し残っているため、転倒に注意することが一番のポイントです。在宅医療開始時に介護保険で玄関やトイレに手すりを設置して転倒対策を行い、入浴は週2回、デイサービスの施設で入るようにしています。

 

 

大城 堅一

医療法人社団星の砂 理事長

ねりま西クリニック 院長

 

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※本連載は、大城堅一氏の著書『自宅で死を待つ老人たち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

自宅で死を待つ老人たち

自宅で死を待つ老人たち

大城 堅一

幻冬舎メディアコンサルティング

最期まで充実して「生きる」ために 超高齢社会における在宅医療の 新たな可能性を説く―― 在宅医療は“ただ死ぬのを待つだけの医療"ではない。 患者が活き活きと自宅で過ごし、 外来と変わらない高度な医療を受けられ…

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