相続税対策には使えない?タンス預金はなぜ“バレる?”
相続税は累進課税制度であるため、遺産が多ければ多いほど相続税額も高くなります。そのため、「自宅にタンス預金を隠しておけば相続税を抑えられる」や「税務署に見つかりさえしなければ申告しなくてよい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、実際にはタンス預金は相続税対策にはならないだけではなく、税務署にばれてさらに大きなリスクを負うことになります。なぜ税務署にタンス預金がばれるのかと申しますと、税務署が国税総合管理システム(KSKシステム)を用いて、故人の資産をおおまかに把握しているからです。
KSKシステムとは、国民のお金の流れや個人の所得水準などを詳細に管理している税務署のデータ管理システムです。そのため、この蓄積された過去のデータと相続税申告の内容に乖離がある場合や、課税対象となるはずの人が相続税の申告をしていなかったりすれば、税務署に目をつけられて税務調査の対象となります。
税務調査をされると、タンス預金の存在は高確率で発覚してしまいます。もちろん調査の結果虚偽の申告が発覚した場合は、重いペナルティを課せられる恐れがあります。
これらの理由からタンス預金は高確率で税務署にばれてしまい、相続税対策にならないだけでなく、むしろ余計な追徴課税が課せられる可能性もあるため、絶対に避けるべきだということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。タンス預金がなぜ税務署にばれるのか、そしてタンス預金が相続税対策にはならない理由が理解していただけたでしょうか。
相続税を節税したいのならば、タンス預金という方法ではなく他にもっと合法的な方法で節税することが可能です。そのため、決してばれなければいいといった安易な考えで余計なリスクを負ってしまうことのないようにしてください。
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戸﨑 貴之
税理士法人ブライト相続 代表社員税理士
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