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◆視力回復のため受けた施術の費用
「オルソケラトロジー」や「レーシック手術」といった視力回復のための施術は、治療にあたります。
なぜなら、これらは、衰えた視力を回復する目的で行われるものであり、「治療」にあたるからです。
なお付言すると、メガネやコンタクトレンズを購入した場合は、基本的には、医療費控除の対象にはなりません。なぜなら、それらは通常、失われた資力を回復する「治療」ではなく、単にかけることで矯正するにすぎないからです。
ただし、例外として、医師等の治療を受けるため必要なものということになれば、医療費控除の対象となりえます。
◆歯のインプラント治療等の費用
歯のインプラント治療は、失った歯を補うためのものであり、治療にあたります。したがって、治療費が不相当に高額なものでなく常識的な範囲内のものであれば、医療費控除の対象となります。
なお、インプラント治療は健康保険適応外の自費治療ですが、医療費控除は保険適応の有無とは一応別の問題です。
また、歯列矯正も、不正咬合の治療を目的とするものであれば対象に含まれます。しかし、美容目的のものは対象外です。
◆通院・入院のための交通費
医師の診療・治療を受けるため通院・入院した際に公共交通機関を利用した場合、治療を受けるのに必要な支出なので、基本的に医療費控除の対象となります。
通院のついでに買い物や寄り道をした場合でも、上記必要性は認められますので、問題はありません。
これに対し、マイカーのガソリン代は含まれません。なぜなら、マイカーの利用は日常生活の一環であり、医療機関への移動だけを他と切り離して評価することが困難だからです。
また、タクシーを使った場合のタクシー代も、原則として対象外です。なぜなら、一般的にはあえてタクシーを交通手段として使う必要性が乏しいことが多いからです。
ただし、タクシー代も、やむを得ない事情が認められれば、例外として医療費控除の対象となります。たとえば、一人暮らしで足が悪く、公共交通機関の最寄り駅やバス停等まで自力で移動するのが難しいといった事情がある場合です。
補足｜セルフメディケーション税制
これまで紹介してきたのは、従来型の医療費控除に関するものです。実は、医療費控除にはもう1つ、2017年分から新設された「セルフメディケーション税制」があります。
これは、ドラッグストアや薬局で所定の医薬品を年間12,000円を超えて購入した場合に、その超過額について所得控除を受けることができる制度です。
従来型の医療費控除と併用できないので、もしも両方の要件をみたす場合は、計算してどちらか有利なほうを選ぶことになります。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品かどうかは、購入時のレシートには「★」などで印字されます。一般的に「医薬品」としてイメージしづらい栄養ドリンクや湿布等も商品によっては対象となることがあるので、油断できません。
したがって、ドラッグストアで買い物した場合のレシートはとりあえず必ず保管することをおすすめします。これに対し、ネット上で購入した場合は領収書が必要です。
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