【確定申告】シングルマザー・シングルファザーなら「年35万円」…基本誰でも受けられる「ひとり親控除」とは

【確定申告】シングルマザー・シングルファザーなら「年35万円」…基本誰でも受けられる「ひとり親控除」とは
(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年分の確定申告期間が2月16日から始まりました。特に、「所得控除」の制度を利用できる方は、忘れずに申告したいものです。特に、新設された制度や変更があった制度については、要注意です。知らなかったり、自分が対象外だと誤解していたりして、活用しないでいるのは損です。本記事では、2020年分から始まったばかりでまだまだ周知度が低い「ひとり親控除」について解説します。

ひとり親控除とは?

ひとり親控除とは、「ひとり親」であれば基本、誰でも婚姻歴の有無にかかわらず「35万円」の所得控除を受けられる制度です。

 

以前は「寡婦控除」「寡夫控除」の制度がありました。しかし、いずれも、過去に婚姻歴があることが必要とされており、平等原則違反の疑いが強いとの批判がありました。

 

そこでで、2020年から、婚姻歴を問わない制度として、「ひとり親控除」が新設されたのです。

「ひとり親控除」の要件

「ひとり親控除」の要件は以下の通りです。

 

1. 現に婚姻をしていない、あるいは配偶者が生死不明

2. 同一生計の子がいる

3. 子の所得の合計額が48万円以下

4. 合計所得金額が500万円以下

5. 内縁配偶者がいない

 

以下、若干の補足があります。

 

まず、「2. 同一生計の子がいる」については、他方の親が子の養育費を負担している場合は含まれません。その扶養の下にあるとみられるからです(他方の親の扶養控除の対象となります)。

 

次に、「3. 合計所得金額が500万円」は、「年収」ではなくあくまで「所得」によって決まります。たとえば、給与所得者であれば「年収677万円」くらいです。

「ひとり親控除」の手続

「ひとり親控除」の手続きは、給与所得者であれば勤務先での「年末調整」、個人事業主等であれば「確定申告」において所定の書類に記入し、提出して行います。

 

◆給与所得者は「年末調整」

給与所得者の場合は、勤務先での年末調整の際に、「扶養控除等(異動)申告書」によって申告します。

 

「区分C:障害者、寡夫、ひとり親又は勤労学生」の「ひとり親」の欄にチェックをすれば足ります。

 

◆自営業・フリーランス等は「確定申告」

自営業・フリーランス等の場合、確定申告において「申告書」によって申告します。

 

「申告書」の「第一表」の「寡夫、ひとり親控除」の欄に「350000」と記入し、「第二表」の「ひとり親」欄に〇をつければOKです。

補足|「寡婦控除」は選ばない

「ひとり親控除」の新設により、従来の「寡夫控除」は「ひとり親控除」に吸収されましたが、「寡婦控除」は残っています。そこで、シングルマザーは「ひとり親控除」と「寡婦控除」のいずれかを選べることになります。

 

しかし、「ひとり親控除」の控除額は35万円、「寡婦控除」の控除額は27万円なので、事実上、「ひとり親控除」を選ぶしかありません。

 

現在の「寡婦控除」は、「ひとり親控除」の新設により、事実上、子ども以外の扶養家族がいる場合にのみ機能する制度に変容したといえます。

 

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