(※写真はイメージです/PIXTA)

故人の戸籍謄本は、相続の際に必要となります。提出する機関によっては提出の期限があり、知らないと大きな損をするかもしれません。手続きの順序や相続に必要な知識、相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「戸籍」についてお伝えします。

戸籍謄本とは? 戸籍に記載のある個人の身分を証明するもの

戸籍謄本は、戸籍の始めに記載される人およびその家族の情報が記載されている書類です。記載されている身分事項は次の通りです。

 

・本籍

・戸籍の始めに記載される人(筆頭者)の氏名

・戸籍に記載されている人全員の氏名・生年月日

・父母の氏名と続柄

・記載されている方々の出生・婚姻 等

 

一方、戸籍謄本と名称の似た書類に「除籍謄本」があります。こちらは、次のような原因で在籍している人が誰もいない状態を証明する書面です。

 

・死亡

・結婚や離婚

・本籍地を変更

 

なお、家族の誰かが亡くなれば自分の戸籍から除籍されてしまい、自分や家族の死亡等で在籍している人がいなくなると、除籍謄本を交付してもらうことになります。

 

市区町村役場で家族が亡くなった後に戸籍を取得した場合「故人を除籍した。」という記録が明記された戸籍謄本を受け取ることになります。

 

戸籍謄本が必要な相続手続きとは?

戸籍謄本は法務局や税務署のような行政の窓口へ届け出る場合だけでなく、金融機関等への提出も必要となります。主な提出先は次の通りです。

 

(1)行政機関窓口への提出

・法務局で被相続人から相続不動産(土地・建物)の名義変更を行う場合

・運輸局で被相続人から所有自動車の名義変更を行う場合

・税務署で相続税の申告を行う場合

 

(2)民間団体への提出

・生命保険会社に死亡保険金を請求する場合

・証券会社に被相続人の保有株の名義変更を請求する場合

相続に必要な戸籍謄本に有効期限はある? 

(画像はイメージです/PIXTA)

 

戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得します。発行元の市区町村役場では交付した戸籍謄本に有効期限を設定しておらず、一定期間が経過しても書類として扱えなくなるわけではありません。

 

ただし手続きの際、戸籍謄本の提出を要求する行政の窓口では一定の条件を設けていたり、金融機関等でも事前に有効期限を設定していたりするところがあります。下表を参考にしてください。

 
 

手続きの際に有効期限が定められているケース

金融機関に被相続人の預金を引き継ぎを申し込む場合、生命保険会社に死亡保険金を請求する場合、証券会社に被相続人の保有株の名義変更を請求する場合、概ね被相続人の死亡年月日が確認できて、市区町村役場から発行されてから3ヵ月以内の戸籍謄本が要求されます。

 

ただし、金融機関や生命保険会社等の中には発行日より6ヵ月以内の戸籍謄本でも良い場合があります。各金融機関・生命保険会社では独自のルールを設けているので、有効期限が気になる場合はカスタマーセンターで電話質問をしたり、窓口の担当者に確認したりして、条件に合った戸籍謄本を取得しましょう。

 

手続きの際に有効期限を設けていないケース

戸籍謄本を相続登記のために法務局へ提出する場合、運輸局で相続による自動車名義変更を行う場合、相続税申告の際に税務署へ提出する場合、いずれも明確な有効期限は設定されていません。

次ページ相続人の戸籍謄本には条件が付されている

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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