(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「万が一のリスクに備えて保険に入っておくべき」といわれます。しかし、「保険は家の次に高い買い物」といわれ、本当に必要なのか、慎重に吟味しなければなりません。本記事では、CFPの小宮崇之氏が、これまでの「保険の常識」に一石を投じる著書『保険の選び方・見直し方 今の保険、このままでいいの?』(ビジネス教育出版社)から、本当に必要な保険だけを選ぶコツ、保険を見直す際のポイントについて解説します。

医療保険に入るメリットと選び方のコツ

医療保険に入るメリットは、病気の辛い気持ちを「お金がもらえるという」メリットで少し緩和できるということです。こう考えることは合理的ではないかもしれませんが、とても重要なことなのです。

 

誰しも病気になれば気持ちが辛くなるでしょう。痛いだろうし、手術も嫌だろうし、病院に入院することもストレスでしょう。ただ、医療保険から一定の金額をもらえるということで、少しそうした辛さを忘れるきっかけになっているのではないでしょうか。

 

保険代理店の担当が保険金請求の際に訪問して、話を聞いてくれるケースもあるので、そうしたときに少し辛い気持ちも和らぐ効果もあります。

 

ただ、保険加入において、すべてにいえることですが、大事なことは保険の販売人から医療保険に入ったほうがよいとすすめられて入るのではなく、自分自身でもしも「病気になったときのことをイメージして、そのときにお金をもらえたほうがよいのか」、それとも、別に「毎月貯蓄していけばいいのか」という点を天秤にかけて、判断すればよいのではないでしょうか。

 

このあたりは、人それぞれの価値観によるものなのです。保険の必要性は自分で考えるということを必ず意識しましょう。

特約の適用条件(三大疾病特約の支払事由をチェック)

◆三大疾病特約って何?

医療保険は、「主契約」と「特約」から成り立っています。

 

主契約では「入院給付金の日額」および「1疾病当たりの入院の限度日数」を決める必要があります。

 

特約は、補償内容がとても複雑でなかなか理解できないことも多くあります。

 

・主契約:それだけで保険契約として成立する契約の基本部分のこと

・特約:特約は主契約の保障内容をさらに充実させるためのもの(特約のみでは契約できない)

※ 主契約を解約すると、特約も同時に解約となります。

 

特約のなかでも、多くの方が検討される特約として、「三大疾病一時金特約」がありますが、この支払い要件をチェックすることがとても重要です。

 

三大疾病とは、以前は、多くの保険会社で「がん(上皮内がんを除く)、急性心筋梗塞、脳卒中」を三大疾病一時金の支払い条件としておりましたが、現在は変化があり、「がん(上皮内がんも含む)、心疾患、脳血管疾患」の3つとなり、保障範囲がとても拡大しています([図表2])。

 

[図表2]三大疾病一時金の違い

 

◆旧来の三大疾病の保障では対応できない疾病もある、保障内容の見直しをしよう

心疾患では、急性心筋梗塞で対象にならない「狭心症や心不全」なども対象となります。また、脳血管疾患では、脳卒中では対象とならない「モヤモヤ病」などの病気も対象となります。

 

こうした保障内容の変化は数年前からの話なので、それ以前に医療保険に加入して三大疾病の特約を付けた人や、三大疾病の保障を単体で契約した人は、現在の保障内容を確認してみましょう。そして、「がん(上皮内がんを除く)、急性心筋梗塞、脳卒中」という旧来の保障だとしたら、保障範囲が広い新しい「がん(上皮内がんも含む)、心疾患、脳血管疾患」のタイプに変更することをおすすめいたします。

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保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

小宮 崇之

ビジネス教育出版社

自分の意志で保険を選ぶ、見直すための知識満載!

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