マンションの「地震保険」の付帯状況
まず、前提として、マンションには入居者がそれぞれ居住する「専有部分」と、エントランス、ロビー、廊下、階段、エレベーター等の「共用部分」があります。
共用部分は入居者全員で組織する「管理組合」が所有し管理するものです。したがって、火災保険・地震保険には、専有部分とは別に管理組合名義で加入する必要があります。
ところが、最新のデータによれば、2020年時点で、共用部分の地震保険付帯率は約46%であり、半分にも満たない数字にとどまっています。(損害保険協会「地震保険のチラシ【マンション共用部分編】」参照)。
これに対し、全国平均は約68%であり(損害保険協会「火災保険・地震保険の概況」P.48参照)、マンションの共用部分とそれ以外の部分とでは顕著な差がみられます。
「共用部分」こそ地震保険をかけないと危ない
共用部分はマンションの基礎、柱、壁、屋根等、マンションの根幹となる部分であるといえます。したがって、地震保険の付帯率が低いことは、大変危険なことといわざるを得ません。
なぜなら、地震保険においては、建物が損壊した場合に「全損」「大半損」「小半損」「一部損」を判断する対象が、基礎、柱、壁、屋根等の基本的な構造部分に限られるからです。
居住者の多くは自身の「専有部分」に地震保険をかけているとみられますが、それだけでは不十分なのは明らかです。マンションの場合、地震保険は、共用部分にこそかけなければ意味がないのです。
「修繕積立金」も慢性的に不足…
マンションの基本的な構造部分が地震等の被害に遭ったら、「修繕積立金」を使って修築することが考えられます。
しかし、修繕積立金で賄いきれないケースが想定されます。
国土交通省「平成30年(2018年)度マンション総合調査」の結果によると、修繕積立金が計画よりも不足していると回答した管理組合が34.8%にのぼっています(同調査報告書P.9参照)。
しかも、修繕積立金の算定において重要な考慮要素である「長期修繕計画」は大規模地震の被害を想定していないことがあります。それに加え、昨今は資材が高騰しています。
これらのことを考慮すると、修繕積立金が不足するケースは34.8%よりもはるかに多くなると考えられます。
もし、修繕積立金が足りず、地震保険にも加入していなかった場合、結局は、入居者が莫大な負担を負わなければならなくなります。
したがって、マンションの共用部分の地震保険加入率の低さは、きわめて深刻な問題といわざるを得ません。
マンションにお住まいの読者の方は、本記事をご覧になって少しでも気になったのであれば、共用部分の地震保険の付帯状況を確認したうえで、もし付帯していない場合は、一日も早く加入するよう、管理組合にはたらきかけることをおすすめします。
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