(※写真はイメージです/PIXTA)

日本が地震大国であることは、言うまでもありません。しかし、実際どこで、どれだけの頻度で地震が発生しているのか、具体的な数値で確認する機会はあまりないでしょう。本稿では、対震構造の開発・普及に努める谷山惠一氏が、地震大国・日本の実情を解説します。

1993年以降、「震度6以上の地震」が明らかに増加

日本はここ30数年で明らかに地震の活動期に入っています。気象庁のデータをもとに1923年から2022年の間で、各年の震度6以上の地震の発生回数を数えたところ、図表1のような結果となりました。1993年以降の数字が圧倒的に増えていることが分かります。

 

[図表1]震度6以上の地震の発生回数

 

特に1995年の阪神・淡路大震災以降は、巨大地震が5回も発生し、日本各地に多大な被害を及ぼしました。

 

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【①1995年1月17日「阪神・淡路大震災」】

マグニチュード:7.3

死者・行方不明者:6437人

負傷者:4万3792人

家屋全壊:10万4906棟

家屋半壊:14万4274棟

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兵庫県淡路島北部沖を震源として、近畿地方の広域に甚大な被害をもたらした震災です。被害総額は兵庫県の推計で約10兆円。犠牲者は6437人に達し、戦後日本の自然災害では東日本大震災の発生まで最悪のものでした。

 

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【②2004年10月23日「新潟県中越地震」】

マグニチュード:6.8

死者・行方不明者:68人

負傷者:4805人

家屋全壊:3175棟家屋半壊:1万3810棟

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新潟県中越地方を震源とした直下型地震。当時の観測史上では、阪神・淡路大震災に続く2回目の最大震度7(基準の最高値)を記録し、実際の揺れ(加速度)は同大震災を上回るものでした。また、この地震によって新幹線が開業以来初めて脱線するなど甚大な被害が発生しました。

 

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【③2011年3月11日「東日本大震災」】

マグニチュード:9.0

死者・行方不明者:1万8430人

負傷者:6156人

家屋全壊:12万9391棟

家屋半壊:26万5096棟

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宮城県牡鹿半島沖を震源とした地震。マグニチュード9.0は、日本の観測史上最大の規模となりました。また、最大40mを超える津波が発生するなどで多くの方が犠牲になったうえに、避難生活などで亡くなったいわゆる震災関連死が3700人以上となり、震災による死者・行方不明者を合わせると合計2万2000人を超えています。その経済的損失額は、世界銀行の推計で約19兆円。自然災害による損失額としては史上1位となってしまいました。

 

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【④2016年4月14日、4月16日「熊本地震」】

マグニチュード:6.5、7.3

死者・行方不明者:273人

負傷者:2809人

家屋全壊:8667棟

家屋半壊:3万4719棟

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熊本県熊本地方を震源とした地震。気象庁震度階級が制定されてから初めて震度7が2回観測された震災です。このように大きな揺れや余震が連続したことなどで、自宅にいることが不安になり、車中泊を余儀なくされる人が増加。エコノミークラス症候群の犠牲者も多数発生しました。また、前代未聞の2回の震度7の揺れによって、従来耐震性が高いとされてきた2000年以降に建築された家が倒壊するという事態も発生しました。

 

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【⑤2018年9月6日「北海道胆振東部地震」】

マグニチュード:6.7

死者・行方不明者:43人

負傷者:782人

家屋全壊:469棟

家屋半壊:1660棟

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北海道胆振地方中東部を震源とした地震。震源に近い厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、36人が犠牲となりました。また、道内すべての火力発電所が緊急停止したために北海道全域の約295万戸が停電しました。そのほかにも札幌市清田区周辺で大規模な液状化現象が発生し、道路が大きく波打つなど甚大な被害に見舞われました。

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※本連載は、谷山惠一氏の著書『もう地震は怖くない!「免震住宅」という選択』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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