そもそも「個別株投資」はすべきではない
田中さん:チンさん、投資雑誌を見るとトヨタとか米国ではアップルがいいとか、マイクロソフトがいいとか、コカ・コーラがいいとか書いてありますが、どれを買ったらうまくいくんですか?
チンさん:特定の会社の株を買うのを個別株投資と言います。昔はインデックス投資が一般的ではなかったので、みんな個別の株に投資していました。
田中さん:私も父親が個別株に投資していたなぁ…。
チンさん:今でももちろん方法としてはありますし、悪いわけじゃあありません。しかし、はじめて投資する人や初心者にはおすすめできません。
田中さん:わかってますよ。私じゃあレベルが低すぎると言うんですね。
①個別株投資は成果が人によってばらつく
チンさん:そうではないんですよ。私がメインにしているインデックス投資と個別株投資では性質が異なるんです。
田中さん:どういうことですか?
チンさん:インデックス投資は、きちんと勉強して実行すれば、多くの方が成功できるのに対して、個別株投資ではどんなに勉強しても人によってばらつきが出ます。ですから自分年金づくりという確実に増やす目的にはふさわしくないのです。
田中さん:じゃあ、個別株には絶対に投資をしない方がいいのですか?
チンさん:もちろん投資資金のうちの20%とか30%を個別株で運用するのは問題ないです。
田中さん:そして、個別株投資もうんと勉強してレベルアップすれば勝率は高まるんですよね。
②プロの70%以上がインデックスの成績を下回る事実
チンさん:それについては有名なデータがあります。米国のプロの投資家を対象にした調査ですが、なんと5年の期間ではインデックスを上回る成績を出せたプロは25%もいなかったんです。
田中さん:え?
チンさん:そして、個別株の場合、どこまでレベルアップすればいいのか、基準はわかりませんね。レベルアップするにしても個別株投資に必要な能力や勉強とインデックス投資に必要なそれとは全く違います。
【解説】個別株投資が難しい理由
◆プロや実力者ほどインデックスを評価している
普段インデックスと比較され、それに勝つことを強いられているプロの投資家はインデックスをとても恐れています。成績がインデックスに大きく劣らないようにポートフォリオをインデックスに非常に似た構成にするなどの工夫をする人も多いです。
また「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェット氏も自分の遺産の運用についてはインデックスを用いるように指示していることも有名です。日本の有名な投資家にもインデックスをメインに運用されている方は実に多いです。「じっちゃま」こと広瀬隆雄氏もほとんどはインデックスだと公言されています。
別の言い方をすると個別株投資が悪いんじゃなくて、その必要がないという方が当たっています。初心者だからとか未経験者だから「易しいものがいい」「初心者用が良い」ということではないのです。
◆個別株投資はたくさんの手間・労力がかかる
長期インデックス投資と比べて余分にかかる手間や労力をざっと挙げると、
1 会社を選ぶ労力
2 買うタイミングを探る労力
3 決算を確認して保有を続けるか決める労力
4 売るタイミングを探る労力
5 全体の暴落時に保有を続ける労力
さらにみなさんの意見で最も多いのが、ストレスが多いからです。
チンさん:下落していく時の嫌な気分は実際に味わったことがある方ならおわかりでしょう。もう見たくない感じです。
田中さん:そうなんですね…。
チンさん:『こういうことは普通にあること』と軽く受け流せる方は問題ないですが、普通の人はまず気になります。
田中さん:そりゃあそうですよ。今のママでも不安なのに、資産が減っていくなんて…。
チンさん:それに、普段の仕事でもストレスを抱えているのに、これでは生活に支障が出ます。
田中さん:毎日やけ酒になったら最悪ですよね…。
チンさん:個別株投資をするなら、まず十分にインデックス投資で成功して資金を得てから余裕を持って取り組んでください。
チンさん凡人投資家 兼 YouTuber