投資でミスを防ぐには、「ミスが起こりやすい投資をしないこと」が最善です。投資初心者の50代会社員・田中さんと一緒に重要なものから順番に見ていきましょう。
「高く売って、安く買い直せばいいじゃない?」
1. 効率が低下する
田中さん:チンさん1つ質問があるんですが、いいですか?
チンさん:はい、何でしょうか。
田中さん:チンさんの言う長期投資というのは買ったらそのまま保有することですよね。でも株価が安くなる前に高く売って安く買い直した方が得じゃないですか?
チンさん:過去の株価のチャートを見れば誰でもそう思いますよね。そしてそれができれば確かにずっと保有しているよりも効率は良くなります。
田中さん:ですよね!
チンさん:問題は、①それが可能なのか? ②手間と成果が見合うのか? の2点になります。私達は過去のチャートを見ることはできますが、未来のチャートを見ることはできません。ですから、過去のチャートでは底から再度上昇していることを確認できますが、現時点でこれから上昇する、下落するとはわからないのです。
田中さん:え? それじゃあ、どこが底になるかは、誰にもわからないってこと?
チンさん:それを当てる試みがいろんな方法で試されていますが、決定的なものはないです。
田中さん:正確にはわからなくても、なんとなくこれから下がりそうだとか、上がりそうだとかはわかるんじゃないですか?
チンさん:これは実際に体験しないと難しさがわからないでしょう。だから試しに少額でやってみるのは構わないですよ。ただし統計的には売買する方式は、売買しない方式に比べてリターンが平均で20%ほど下がるようです。ですから、売買しない方が統計的には有利です。
2. 人によってばらつきが出る
チンさん:売買する方法だと人によって成績が変わってきます。うまくいかない人も多くいます。自分がどちらのグループに入るかはわかりません。一方、売買しない長期投資では誰でもほぼ同じ成績を得ることができます。難しくてしかも失敗も多い方法で投資するメリットはないです。
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3. 投資が中断する恐れがある
チンさん:さらに売ったものは買い直す必要がありますが、もし売った値段よりも株価が高くなっていると買いにくいです。もう少し待とうと躊躇している間に買うタイミングを逃してしまう可能性は高いです。そうするとせっかく積み上げた投資が振り出しに戻ってしまいます。もったいないですね。
4. 勉強が必要
チンさん:忙しいビジネスパーソンにとって売買を繰り返すことで、余計なストレスを抱えることになります。
田中さん:確かに、忙しいのに、それどころじゃないです。
チンさん:また売買タイミングを知るには勉強が必要です。そして、どれだけ勉強してもミスがなくなることはありません。
田中さん:うーん、それもそうか。
チンさん:そういったことを踏まえると、わざわざストレスを抱える必要は全くないでしょう。その時間でプライベートを楽しんでください。「結局は市場に居続けるのが一番だよね」と経験者はみんな言います。市場にいる限り市場平均のリターンは約束されるからです。一旦売って市場を離れると再度市場に参入するタイミングは長年の経験者でもとても難しいです。
チンさん凡人投資家 兼 YouTuber