(画像はイメージです/PIXTA)

老後資産の形成のため、預貯金に励んでいる人は多いはず。しかし、現金は長く保有するほど「目減りする」のをご存じですか? また、資産分散のために多くの人がチャレンジしている不動産投資にも、多くの注意点があります。具体的に見ていきましょう。※本記事は『難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください』(自由国民社)から抜粋・再編集したものです。

 

自分年金づくりを目的とする資産運用は失敗しないものでなければなりません。ところが投資で失敗する人はたくさんいます。ここでは、資産運用に当たって初心者がすべきでない、気をつけるべき投資についてその理由とともに考えていきましょう。

 

今まで投資をしたことがない未経験者の河合さんと一緒に、はじめから学んでいきましょう。

 

通貨は「長く持っていると価値が減る」って知ってた?

チンさん:河合さん、お金は持っているだけで価値が減っていくことをご存知ですか?

 

河合さん:なんとなくわかります。インフレ分だけ価値が減っていくんですよね。

 

チンさん:そうなんです。しかし昔のように金や銀を通貨として使っていた時代には価値は減らなかったんです。

 

河合さん:どういうことですか?

 

チンさん:金や銀そのものに価値があったからです。通貨の価値が大きく減るようになったのは紙幣を自由に発行できるようになってからです。紙幣を発行する分お金の価値は減りますけど、適正な範囲ならそのマイナス分よりもお金が増えて経済が拡大するメリットが勝るんです。紙幣の発行が行きすぎるとハイパーインフレになってしまいます。

 

河合さん:なるほど…。では社会を回すためにはお金の価値は下がりがちになるということなのですね。

 

チンさん:そうです。そしてその増やし方はインフレ率が2%くらいにするとちょうどいいとされています。だから経済が理想的な状態にあっても、お金の価値は毎年2%ずつ減っていくんです。10年では0.98の10乗で0.817となりますから18%ほど価値が減ります。

 

河合さん:結構減るんですね。

 

チンさん:そうです。20年では0.668ですからかなりの減少になりますね。だから通貨として持っているだけではどんどん貧乏になってしまいます。

 

河合さん:長期的に見ていくと、大変な数字ですね。

 

チンさん:資産運用には増やすという積極的な意味と同時に資産を減らさないという防衛的な目的もあるんです。

【解説】「現金=長期保有で目減り」と覚えておいて!

1991年を1とすると米ドルは30年後の2020年には0.493の価値になりました。日本円は30年で0.896になりました。日本円の価値の減り方が小さいのは、日本は物価上昇が小さかったからです。長い間、デフレ経済と言われました。

 

しかしそんな日本でも1901年から2020年の120年間で物価は約1300倍に上がりました。つまりお金の価値は1300分の1になったのです。

 

お金の供給量は、例えば米国では1959年1月のマネーサプライM1(現預金)は1389億米ドルですが、2021年5月には192217億米ドルと60年で138倍に増えています。その分経済が拡大したのです。

 

河合さん:わっ、大変だ。現預金を多く持っていますよ。まずいですね。減っちゃう!

 

チンさん:河合さん、慌てなくて大丈夫ですよ。しかし通貨で預金していると減っていくという原則はしっかり押さえておいてください。

 

難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください

難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください

チンさん凡人投資家

自由国民社

70歳投資ユーチューバーが教える! 老後のお金の作り方大公開。 老後のお金は株式インデックス投信の長期積立1択です! 米国株でも、日本株でもなく、また、債券などを組み入れた投信でもなく株式による投信の長期積立が…

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