ただの「早期教育」は子どもにストレスを与える!?
「勉強を始めるのは、早ければ早いほどよい。そのほうが頭のいい子になる」という考えは、昔からありました。しかし、子どもの発育には段階があり、早いうちに始めたからといって急激に伸びるものではありません。
たとえば文字を3歳のときに教えてもなかなか覚えられないのに、5歳になったら特にがんばらなくてもすっと覚えてしまうものです。「早期教育」にとらわれてしまうと、しなくてもいい苦労を子どもに強いることになり、ストレスを与えることになりかねません。
読み書きや計算は、国語・算数といった「教科学習」であり、小学生になったときに始めるのがちょうどいい教育です。幼児期に必要なのは、教科学習の前に身につけるべき基礎教育です。私はこれを「教科前基礎教育(きょうかぜんきそきょういく)」と呼んでいます。
考える力が大きく発達する「教科前基礎教育」
教科前基礎教育とは、簡単にいえば教科書とノートを使う前の教育。何もないのにどうやって勉強できるのかと心配になるかもしれませんが、子どもが生活の中で接しているものや事柄から、「言語」「数」「図形」など、さまざまなことが学べるのです。
しかも、遊びや毎日の習慣を通して学べるため、親も子も余計なストレスになることはないといっていいでしょう。教科前基礎教育で楽しみながら基礎教育を重ねることで、子どもの「考える力」が大きく発達するだけでなく、小学校で行われる教科学習にスムーズに入っていけるのです。
「勉強」というと親も子も身構えてしまいます。日々の生活や習慣、遊びをさりげなく勉強にしてしまうためには、何より親の働きかけが重要になってきます。
具体的な方法については『子どもが賢くなる75の方法』の第4章で詳しく説明していますが、子どもが積極的に、楽しく取り組めることが重要なのはいうまでもありません。