今回は、物件の契約から引渡しまでの流れと、契約時に不動産販売会社との間で確認する「重要事項説明書」のチェックポイントについて見ていきます。

マンション購入の流れを改めて把握する

投資する物件が見つかり、費用の面でも問題がないことが確認できました。次は、いよいよ購入です。マンションの購入にはいくつかの手続きが必要なので、一般的なマンション購入の流れについて説明しておきましょう。

 

購入する部屋が決まったら、まず「不動産購入申込書」を不動産販売会社に提出します。これが購入の申し込みになります。そしてローンを利用して購入する場合は、金融機関に融資審査の申し込みをします。この融資審査が通ればローンを組めることになりますので、重要事項の説明を受け、契約という運びになります。

 

マンションの購入には、「売買契約」と「金銭消費貸借契約」の2種類の契約が必要です。「売買契約」は、マンションを購入するための契約。不動産販売会社と売買契約書を交わします。「金銭消費貸借契約」はローンを組むための契約で、金融機関と交わします。これで、契約は完了です。

 

このあと登記の手続きを行い、購入時に必要な諸費用を振り込みます。登記手続きが完了したら、引渡し。これで、マンションの部屋はあなたのものです。サブリース契約の場合、引渡し日から家賃収入が発生します。オーナーとしての日々の始まりです。

重要事項説明書は「取引条件」に注意してチェック

マンション購入のおおまかな流れを説明しましたが、契約の前に大事なステップがあります。「重要事項の説明」です。

 

不動産販売会社は買い主に対して物件や取引条件に関する重要事項を説明し、確認を取ってから契約しなければならないことになっています。これはマンションなど不動産の売買に際してトラブルがないようにするもので、宅地建物取引業法という法律で定められています。

 

重要事項の説明は、宅地建物取引主任者が「重要事項説明書」に沿って行います。あとで「こんなことは知らなかった」ということがないように内容をよく理解するようにしましょう。

 

重要事項説明書の内容は、「物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」に分けられます。「物件に関する事項」では、まず取引物件の所在、面積などがそれまでの説明通りになっているかを確認しましょう。そして権利の種類はマンションのオーナーになる場合、所有権です。貸借権ではありませんので、重要事項説明書上で所有権と明記されているか、確認します。

 

また、マンションの規約についても説明があります。共用部分の使用ルールなどマンションの決まりごとに関することですので、オーナーとして知っておくようにしましょう。

 

そのほか、水道・ガス・電気などの状況、新築でまだ工事が完了していない場合は完成時の建物の状態などについて説明があります。専門用語が出てきて説明が難しいと感じるかもしれませんが、不明な点があったら遠慮なく質問し、納得いくようにすることが大切です。「取引条件に関する事項」は、お金に関する部分です。特に注意深くチェックしましょう。

 

ローンを組んでマンションを購入する場合、重要事項の説明を受ける前にローンの申し込み・審査は終わっていますが、ローンの内容について、重要事項説明書に書かれていることが事前に把握していた内容と同じかどうか、もう一度確認しておきましょう。利用予定金融機関、借入金額、返済期間、利率などです。

 

その他、契約の解除条件・契約違反時の違約金に関する取り決めなどをチェックし、納得して契約に臨めるようにしましょう。

本連載は、2010年9月24日刊行の書籍『デザイナーズマンション+3つの条件で成功する不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

デザイナーズマンション +3つの条件で 成功する不動産投資

デザイナーズマンション +3つの条件で 成功する不動産投資

川田 秀樹

幻冬舎メディアコンサルティング

将来の年金不安を解消するため、不動産投資による資産運用に注目が集まっています。 本書は株や定期預金、国債などのあらゆる資産運用のなかで、不動産投資がいかに有効かをリスクとリターンの観点から、初心者にもわかりやす…

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