子どもに食べ物ではなく“毒”を与えている
虫歯の最大の原因のひとつは、お菓子や砂糖の多量摂取だ。特に12月〜1月にかけた年末年始は、ほとんどすべての店が、ソーダ、キャンディー、チップス、ベーカリー製品などからなるギフトバッグで棚を埋め尽くす。チップスはもちろん、100%のジュースやお茶にも砂糖が多量に含まれている。最近では、牛乳やヨーグルトにも砂糖が加えられている。子どもの健康を考えて、ソーダの代わりに牛乳を買い与える親もいるが、いちごミルクやバナナミルクにも大量の砂糖が含まれていることを知らないのだ。
医学の専門家は、「糖分の多い食品は子どもにとって食べ物ではなく“毒”である」と話す。これらを見て見ぬふりをする親が増えるにつれ、子どもの虫歯、糖尿病、肥満の危険性が上がっていくのだ。
オーラルケア歯科クリニックの歯科医 B・バヤルマー氏は、「モンゴル人は多くの祝日を祝います。その度に、特に子どもたちはお菓子やフルーツをたくさん食べます。歯の病気だけでなく、内臓の病気、老年症候群、虫垂炎なども増加しています。つまり、休日にお菓子を食べる子どもたちは、後々あらゆる病気にかかる危険性があるのです」と話す。
また、スフバートル郡9区にあるファミリーヘルスセンターのシニアドクター B・ツェツェグマァ氏は、「親は子どもにお菓子やチップス、ソーダをたくさん与えています。子どもの健康を守り、免疫システムをサポートする食べ物や飲み物を与えることで、親が常に子どもの口腔内の健康に気を配ることが必要です。虫歯は、心臓や腎臓、胃の病気など、さまざまな病気の根本原因です。歯の病気を持つ子どもが健康に育つかは疑問です」と話した。
親は「お菓子を買わざるを得ない」状況にある
年末年始やこどもの日、その他祝日には、お菓子の代わりにおもちゃや絵本、ぬいぐるみなどをプレゼントすることを検討してみるのがよいだろう。少なくとも、ギフトバッグに入れるキャンディーなどのジャンクフードは、低糖の乳製品やビタミン豊富な製品に置き換えるべきだ。
一方、ほとんどの店舗では、子どもの目の高さより上にお菓子を置いていない。加工食品を扱う小売業者にとって、子どもは重要な市場であるため、店舗は不健康な菓子やスナック菓子の陳列の前に子どもたちをさらしているのだ。そのため、親は子供にお菓子を買わざるを得なくなる。なぜなら、親は洗練されたマーケティング手法に疎く、子供からの“圧力”によって結局、購入に至ることが多いからだ。
子どもの虫歯が多いもう一つの要因
また、この問題は、幼少期からの口腔内教育が適切に行われていないことも要因だと言える。子どもたちに良い歯作りの習慣を身につけさせるためには、保護者や就学前教育機関が重要な役割を担っている。具体的には、少なくとも季節ごとに専門の歯科医師による歯の診察を受けさせ、正しい歯磨きの仕方を教え、幼児期から正しい歯の手入れをすることが親の責任だ。
実際、子どもたちは歯の磨き方だけを教わり、歯の手入れの仕方や定期検診の重要性、フロスや歯にダメージを与えるものなど、細かいところまでは教わらない。特に親や教師は、歯や歯ぐきを傷つけないように、デンタルフロスの正しい使い方を子どもたちに教えてあげる必要がある。