顔や口の中の奇形増加も
デルガートセグ教授はこう話す。「もちろん、子どもが何かを習得するためには、大人の指導が重要です。生後6ヵ月になったら、親が毎日、赤ちゃんの口をきれいにしてあげることが肝心です。一番大事なことは、『習慣化すること』です。3歳を過ぎてから歯磨きを教えようとしても、子どもはその習慣に慣れることができませんから」と強調した。
また、「最近の子どもたちは硬いものを食べない」と注意を促し、保護者には乾燥豆腐(通称:アルル)など、硬くて噛み応えのある食べ物を与えるようアドバイスした。
さらに、国立公衆衛生センターのB・オユンダリ研究員は、「最近、糖分の多いお菓子や飲み物の摂取が増えたこのに加え、硬い食べ物の摂取が減ったため、これが虫歯の原因になっている」と警告している。これは、「顔や口の中の奇形を増やす原因にもなる」という。
また、デルガートセグ教授は、「よく噛まないと、歯はその役割を果たせません。つまり、歯が本来持っている清掃作用が発揮できないのです。これを専門用語でオーラルセルフクリーニングといいます。食後に歯を磨かなくても、私たちの唾液腺からは常に唾液が分泌されています。その結果、歯の表面は洗われてきれいになっています。その自浄作用は、1日に5回行われていると言われています」と話した。
このような現状を踏まえ、医療の専門家は、国の政策やプログラムは、他国の優れた基準に従って実施される必要があると考えている。また、このいわゆる「静かな疫病」に対処するためには、すべての分野における関係者の関与が不可欠である。