(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

「同調圧力」を逆手にとれば、少数派が多数派をも動かせる

こうした、同調圧力の前向きな使い方というのは、ご覧のとおり、組織力をアップさせることができます。

 

しかも、結果的にはこの同調圧力は、決して強者から弱者へと強いたものではありません。むしろ、私はチームに入れてもらった側の少数派でした。

 

私は「日本人が一人しかいない」という学校にいて、そのほかはヨーロッパ系アメリカ人しかいなかったので、多数意見の「同調圧力」をものすごく感じていました。

 

物理の授業の時間に五人のチームをつくりなさい、と言われたときも「少数派の私がメンバーに入れてもらうのは申し訳ない」と感じていたわけです。

 

だから、「少数派の私が足を引っ張っては申し訳ない」と、ここは「みんなで計算を分担して誰よりも早く20分で帰って教授の鼻を明かすぞ!」という「多数派についていかなければ!」と思っていました。

 

ところが、この少数派の私が感じた「多数派についていかなければ!」という同調圧力こそが、実は「チーム内の同調圧力をも増大させた」ということが考えられるのです。

 

というのも、あえて私が多数派の同調圧力に従ったことで、チーム内では同調圧力が増し、「みんなに合わせて、早く正確に計算をやらなければ!」と、多数派の人たちにまで同調圧力のプレッシャーが及んでいました。

 

つまり、少数派が多数派に反発せずに、逆に少数派の私が多数派の意見に同調してさらに強調すると、多数派も同調圧力を受けることになったのです。

 

少数派の私が川でボートを手で漕いでいるとしたら、流れに逆らうと「全然先に進まない」というだけでなく、水の流れも妨げていることになります。

 

でも、流れの方向に向けてボートを漕いだならば、同調圧力の流れに合わせて「どんどんスピードアップした!」となって水の勢いも増し、チーム全体のスピードや力が増していく、となるわけです。

 

[図表1]同調圧力を逆に利用する
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誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

大嶋 信頼

祥伝社

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