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オランダの不動産・政治経済・金融等に関する情報を中心に取り扱う、オランダ発ローカルメディア『DutchNews.nl』より翻訳・編集してお伝えする。

2022年、波乱だったオランダの住宅市場

金利の上昇、住宅価格の下落、取引件数の減少、物件の急増── 2022年のオランダの住宅市場は、すべてが順調だったとは言えない。何よりも特筆すべきは、年間21%もの住宅価格上昇からスタートし、最後は住宅価格が下落して1年を締めくくったことだ。

 

実際、国の統計機関であるCBS(オランダ中央統計局)によると、平均的な住宅の価格は過去3ヵ月間で約1万8,000ユーロ(約25万4,196円)も下がっているという。

 

金利は10年固定で1.4%前後から始まり、今月は4.5%を上回ると見られている。市場に出回る物件は増えたが、購入する人は減っている。カダスター土地登記所に登録された取引件数は、今年最初の10ヵ月間でじつに17%も減少している。

 

現在、政府は手頃な価格の住宅供給を増やそうと必死になっているが、開発業者らはこの計画の目的は達成できないだろうと警告している。このため、今年は新築物件が市場に出回る可能性はほとんどないと予想される。

2023年に向けた政府の取り組み

昨年は相対的に不動産に関する見出しが多い年であり、住宅購入を考えている多くの人がどうしたらよいか悩んでいるようだ。しかし、2023年に向けては、いくつかの明るい兆しが見えてきた。

 

政府は、まず、投資としての住宅購入を思いとどまらせるために、購入用不動産の譲渡税を8%から10.4%に引き上げる予定である。

 

また、35歳までの初回購入者は、物件価格のうち最初の44万ユーロ(約6,141万円)について譲渡税を支払う必要がないことが閣議決定された。これは、昨年の状況より10%増となる。

 

さらに、条件が合えば、国家住宅ローン保証制度(NHG)の適用を受けられる可能性がある。NHGの保証制度では、金利が若干低く設定されており、経済的に困難な状況に陥ったり、赤字での売却を余儀なくされた場合、支援を受けられる可能性がある。

 

また、エネルギー効率を高めるための投資を計画している場合、物件価格の100%以上を借りることができることも忘れてはならない。現在のエネルギー価格を考えると、そうしない人はいないだろう。

税金について

住宅ローン金利の税額控除が来年より40%から37.05%へと少し下がることも注目すべき点だ。一方で、政府は、夫婦の場合、パートナーの給与の100%を借入可能額に加算することに同意している。今年は90%。つまり、もう少し借り入れの幅が広がるわけだ。

 

また、アムステルダムですでに家を所有している人には、地代家賃を一度に買い取るチャンスがある(初回に買い取らなかった場合)。地代がインフレに連動していることを考えると、これは間違いなく検討する価値があるだろう。しかし地代家賃は複雑な問題のため、専門家の助けを得て決定するようにしてほしい。

 

もちろん、これらはすべて政府から正式に発表されたもので、来年に起こると分かっている事柄だ。 しかし、今年のマーケットがそうであったように、私たちは予想外のことも予想しなければならない。

 

私の予測? 金利は安定し、住宅価格はもう少し下がるだろう。もし、あなたが2023年の新年の抱負として住宅購入を考えているならば、私のアドバイスは、この抱負を破らないようにすることだ。

この記事は、GGOが提携するオランダのメディア『DutchNews.nl』が2022年12月26日に掲載した記事「The housing market in 2022 has been anything but boring」を翻訳・編集したものです。

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