(※写真はイメージです/PIXTA)

「業務スーパー」は、どこも真似できない商品のラインナップと驚くほどの低価格で注目を浴びており、物価高が深刻化するなか、小売業界における存在感をますます大きくしてきています。いったいどのような経営が行われているのでしょうか? 本連載では小売り・流通関係に精通しているジャーナリストの加藤鉱氏が、著書『非常識経営 業務スーパー大躍進のヒミツ』から、業務スーパーの型破りな経営戦略について解説します。

コンビニで起きている加盟店への理不尽な要求

創業者の沼田昭二も同じことを語っていた。

 

「よく業務スーパーのロイヤリティが仕入れ額の1%ということで、『ここはいったい何を考えているんだ』と言われることがあります。でも、加盟店に負担をかけないよう、ロイヤリティは低いほうがいいに決まっています。私どもにはメーカー利益がある。直接、貿易にも携わっているわけで、加盟店さんに必要以上に負担をかける要素がないわけです」

 

たとえば、コンビニ最大手のセブン-イレブンのFC契約Aタイプ(加盟オーナーが土地・建物を用意する)のロイヤリティを調べると、売上総利益の45%をFC本部に持っていかれてしまう。

 

2020年9月、公正取引委員会が5万7524店におよぶ大手コンビニエンスストアチェーンの全加盟店を対象に実施した「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査」の結果が公表された。

 

経営状況が「順調である」といった回答が28.2%に対し、否定的な回答は44.7%にものぼった。「仕入れ数量の強制など、意に反して仕入れている商品の有無」に関しては51.1%があると回答。その理由として断然多かったのが、「契約を更新しない、解約すると言われた(脅された)」というものであった。

 

業務スーパーではそのような加盟店に対する理不尽な要求は、私が調べたかぎり皆無であった。

 

 

加藤 鉱

作家・ジャーナリスト

 

非常識経営 業務スーパー大躍進のヒミツ

非常識経営 業務スーパー大躍進のヒミツ

加藤 鉱

ビジネス社

ロイヤリティがなんと破格の1%!? なぜこの値段? なぜ牛乳パックに羊羹? なぜ急拡大? 毎日が型破りな業務スーパーが大人気な理由 売上高3,408億円、営業利益236億円、8期連続の増収増益、(2020年10月期決算)! あ…

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