「孫FC加盟店」の存在さえ認める太っ腹
業務スーパーでは、FC加盟店が「エリア本部」となり、一部地域においては「フランチャイザー」(本部)となって「孫FC加盟店」を持てるような、FC界ではきわめて稀な体制を実現している。花房課長が説明する。
「たとえば、新潟県はじめ9県のエリア本部になっているオーシャンシステムについては、自身が業務スーパーのフランチャイジー(加盟店)として出店するのですが、その一方でフランチャイザー(FC本部)にもなっている。地元で別の企業がエリア本部であるオーシャンシステムのフランチャイジーとなるわけです」
これは神戸物産ならではの、きわめてユニークなFC展開といえる。
「そのあたりの自由度の高さがわれわれのフランチャイズ経営の最大の特徴です」
その孫FC加盟店が業務スーパーの看板を掲げていてもお咎めなしなのか?
「ええ、業務スーパーの商品を販売していれば、問題はありません」
孫FC加盟店にはロイヤリティの支払いは発生するのだろうか?
「いえ、われわれはロイヤリティを孫FC加盟店にあたる会社から直接ではなく、エリア本部からもらっています」
業務スーパーは確かにフランチャイズ制ではあるけれど、ではコンビニのフランチャイズと似ているかというと、まったくやり方が違う。一概にフランチャイズで括って考えていない気がする。
それは食品スーパーの運営方法もそうだし、商品開発もそうなのだが、型にはまらないというか、型にはめるのも嫌というか、フランチャイズはこうあるべきというこだわりがないのである。加盟店との共存共栄が美辞麗句に終わっていないところに凄みすら感じる。