(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年12月23日に発表された政府の「2023年度税制改正大綱」において、かねてから「弱いものいじめ」との批判が強い消費税の「インボイス制度」について、従来の免税事業者に対するいわゆる「救済措置」がとられるとともに、登録期限が2023年3月までであったのが、2023年9月まで実質延期となりました。その概要と背景、注意点についてお伝えします。

登録申請を見合わせる場合の注意点は?

したがって、当面の間、2023年3月末の登録申請期限までに申請を行わず、様子を見るのは有効な選択肢の一つといえます。

 

なぜなら、上述のように、インボイス制度は欠陥・批判の強い制度です。「国民の声を聞く」と言いながら批判に耳を背け財務省のほうばかりを向いてきた岸田政権ですが、支持率低迷で「死に体」に陥りかけており、今後、一転して批判に対して「聞く耳」を持ち、インボイス制度の見直し・修正等に乗り出す可能性もまったくの0とまでは言い切れません。

 

しかし、そうなると、次の問題は、実質的な「申請」の期限がいつになるのかということです。

 

すなわち、2023年10月からインボイス制度の運用が開始するので、それまでに登録が完了するためには、いつまでに申請しなければならないのか、押さえておく必要があります。

 

国税庁が2022年12月8日に発出した文書によると、登録申請書の標準処理期間は以下の通りです。

 

・e-Taxによる提出:約3週間

・書面での提出:約1ヵ月半

 

このことからすれば、もしも、最終的に課税事業者となることを受け入れてインボイス登録申請をする場合、実質的なギリギリの申請期限は以下の通りと考えることができます。

 

・e-Taxによる提出:2023年9月5日頃

・書面での提出:2023年8月10日頃

 

なお、インボイス登録が進まなければ、さらに施行延期等の対応が行われる可能性も考えられます。

 

物価高騰をはじめとして、中小の事業者にとって経済的苦境が続くなか、インボイス制度をこのまま強行することは、将来に大きな禍根を残す可能性があります。その意味で、政府・与党には、インボイス制度の施行延期はむろんのこと、見直し・修正等も視野に入れた、柔軟かつ血の通った対応が求められます。

 

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