開業医を悩ます「相続税」「病院の承継」「争族」
開業医の相続で気をつけたい問題について整理しておきましょう。開業医の相続トラブルは「相続税」「病院の承継」「争族」という3つに大きく分類することができます。
まず、相続税が多額になってしまう問題の根本には、①個人の資産(相続財産)が多いことがあります。特にキャッシュは節税効果がないので、たくさんキャッシュを持っている人ほど相続税は高くなってしまいます。
資産のなかには病院の出資持分も含まれますので、②持分評価が高額になっていると、相続財産が膨らみ、相続税を押し上げます。
次に、病院の承継が難しいという問題の背景には、③後継者に納税や持分買い取りに対応できるだけの資金力がないどころか、④後継者不在の問題を抱えている病院もあります。
そして、争族が起こる引き金として、⑤遺産配分のバランスの悪さ、⑥代償分割をするための資金が後継者にない、⑦相続を迎えるにあたっての相続人たちの心の準備ができていないことが挙げられます。
生前に問題を解決して、相続トラブルを防ぐ
このように整理してみると、開業医の相続トラブルの要因は7つに集約されることが分かります。つまり、この7つを生前に解決しておくことができれば、相続時のトラブル発生は未然に防ぐことができるのです。
では、①~⑦のそれぞれを解決するためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。本連載では、開業医の相続トラブル回避のための具体的な方法やテクニックを紹介していきます。