(※写真はイメージです/PIXTA)

アップルやホンダなど、成功した企業に「社長の右腕」が存在する実例は多いですが、それが時にアダとなることも少なくありません。なぜなのでしょうか? 『三国志』の呉のリーダー孫権の話とともに解説します。

 

2.右腕との対立

2つ目が「社長の右腕」との対立です。これは、株を持っている共同創業者であるとか、株を持たない社員であるとか、そういうことにかかわらず、仲違いして会社が崩壊していくというパターンがあるわけです。

 

先ほどの事例で挙げた会社というのは、極端な言い方をすると、たまたま共同創業者の関係がうまくいったから有名になったわけで、世の中には共同で創業したのに対立してしまって、会社が崩壊して世に出ることなく終わっていったケースが山ほどあるのです。うまくいった事例だけに目を向けないようにしていきましょう。

 

3.右腕の放任

3つ目が「社長の右腕」の放任ということで、実はこれが結構多いパターンなのです。実態として、「社長の右腕」以下のポジションをすべて「社長の右腕」がみている組織の場合、この右腕の放任が起こりがちです。

 

「社長の右腕」が優秀であればあるほど、社長としては非常に楽になるわけです。社長が見切れない組織の部分を「社長の右腕」が見てくれるわけですから、社長はめちゃくちゃ自由になって、会社の将来像を考えたり、新規事業を開拓することができるようになります。

 

一方で、社長にとって組織がブラックボックス化してしまい、現場で何が行われているのか分からないということになってしまう可能性もあります。そうすると、社長としては「社長の右腕」にすべて任せていたつもりでも、いつの間にか自分が思い描いていた基準で仕事が行われていなかったり、自分が望んでいた会社の文化ではなくなってしまうことがあるのです。

 

〈”社長の会社”ではなく、”右腕の会社”になってしまう〉

 

「社長の右腕」が優秀で、影響力が高ければ高いほどそうなりがちです。社長の持つ基準や、社長が掲げた価値観で組織を運営するのではなく、「社長の右腕」の基準や価値観で事業が行われることになるので、社長としては、自分でつくった会社なのにもかかわらず、いつの間にか自分の会社ではないような感じになってしまうわけです。このようなパターンは結構多くみられるので、非常に注意が必要です。

 

なぜそうなってしまうかというと、結局、社長が「社長の右腕」に依存してしまっていること、これが原因です。

 

 

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