お宝銘柄なら一定条件で保有を続ける手も
半値戻しをした銘柄が、半値で終わらず、以前の下げ幅を回復する(全値戻し)することもあります。例えば、400円から300円まで下がっていたのが、全値戻しで再び400円まで戻り、さらに400円以上に上昇していくようなとき、これは「大相場」の予兆である可能性があります。つまり、その銘柄がそれまで経験したことがない水準まで、株価が上昇していくということです。
その場合、株価は当初の5倍や10倍以上にも膨れ上がる可能性があるため、超お宝銘柄に変身します。こうなると、難しいのは売りどきです。筆者は通常、買値から8〜10%上昇したらコツコツと利益確定することをお勧めしていますが、お宝銘柄の場合はそれだと少しもったいないかもしれません。
そこで、変化球ではありますが、「前日の安値を終値で下回るまでは、持続し続ける」というやり方もよいと思います。強い上昇トレンドに乗っている銘柄は、前日の安値を終値ではなかなか下回りません。従って、そのスタンスだと、利益を大きく伸ばすことができます。もちろん、勢いよく急騰した銘柄は、急落の勢いも激しくなりがちなので、前日安値を終値で下回ったら翌日の朝に即売りです。
「半値押し」を見つけたら段階的に買う
多くの人がやりがちなのが、半値押しから反発し、急激に戻している最中に買ってしまうことです。間に合えばよいのですが、それではタイミングが遅すぎて、絶好のチャンスを逃してしまうことも多いものです。
ベストは、やはり暴騰からの急落で、半値押ししたことを見極めたところで買うことです。
ただ、みんながガンガン売っているときに買うのは怖いものでしょう。怖くなったときに思い出していただきたいのが、大きく儲けている人は、人と同じことばかりしているわけではないということです。有名な相場格言に、「人の行く裏に道あり花の山」というのがありますが、この言葉も、「ときには人と違うことをしたほうが儲かる」ということを示唆しています。
弊社の会員の方の多くも、リーマン・ショックや東日本大震災の直後「もう日本株はダメかもしれない」とみんなが思ったところで大きく買って、大きく利益を伸ばすことができました。
例えば、3・11以降に東京電力が叩き売りされましたが、もし潰れなければ、同社の株価がいずれ暴騰することは、火を見るよりも明らかです。でも、「もしかしたら、本当に潰れるんじゃ……」という恐怖が相場を支配していたからこそ、東京電力の株価はガンガン下がりました。何しろ、それ以前は2000円前後だった株価が、瞬く間に3ケタ台になり、100円台にまで落ち込んだのですから、すごい勢いです。
みんなが恐怖に震えていたとき、筆者は100円台の東京電力株を買い推奨しました。ここで怖がらずに買った方は、大きく儲かったと思います(2011年7月22日には643円の株価を記録しました)。
このように、みんながダメだと思ったところでうまく買ったとき、利益は大きく跳ね上がります。従って、暴騰後の半値押し場面で買うときは、下がっているときに買うのでとても勇気が必要ですが、このようなタイミングを見つけたら、すかさず狙っていくべきなのです。
しかし、半値押しよりも下がることもよくあるので、そこが一番怖いところです。半値押しよりもう一段下がるか、あるいは半値押しする前に反発するか―といった部分は、「そもそもその銘柄がなぜ暴騰していたのか?」というところで決まってきます。
例えば、業績が最悪なのに過去に何度も乱高下しているような銘柄は、半値押しよりもさらに大きく下がることがよくあります。業績が絶好調で値上がりした銘柄は、ちょっと利益確定の売りが立てこんでも、早めに回復してまた上がる可能性が高いでしょう。
このように、株価の動きを決める要素を「材料」といいますが、材料次第で反発のタイミングは変わります。そのため、できれば一度に資金を突っ込まず、とりあえず3分の1だけ使って買い、もう一段下がったところでもう3分の1指値買い注文を入れておく。そしてさらにもう一段下がったところで3分の1買いを入れておく形をお勧めします。例えば半値押しが200円とすれば、200円、195円、190円と分けて買い注文を入れておきます。