ホームページは「制作したら終わり」ではない
今まで、ホームページを改善する重要性が認識されておらず、ホームページの予算を制作で使い切ってしまう企業がほとんどでした。しかし成果を出すホームページにするには、制作したあとの継続した改善が必要です。改善に必要となる年間の費用は決して安価ではありません。また短期間で訪問者を呼び込むためにはその対策も必要となります。そのためホームページの予算を決める際には、ホームページ制作だけでなく運用も含めたトータルの費用で考えるべきです。
いつも私はホームページを運営するうえで掛かる費用について、車を購入する費用に例えて説明しています。まずホームページを制作する費用が、車両価格に該当します。車両価格は購入時に必要な初期費用です。
車は車両を購入する費用に加えて維持する費用が掛かるということは多くの人が知っていることですが、ホームページも同じです。ホームページの開設後に掛かる費用として「戦略・対策費用」「レンタルサーバー・ドメイン費用」「更新費用」があります。
<戦略・対策費用>
戦略・対策費用は車の保険料に相当し、具体的な費用としては広告掲載やマーケティング支援が考えられます。
広告掲載はより多くの人にホームページにアクセスしてもらうためにメディアに広告を掲載する費用です。ホームページは時間を掛けて改善していけば、自然と訪問者も増えていきます。しかし期間限定のイベントやキャンペーンを行う場合は、短期間で大量に訪問者を呼び込まなければなりません。それ以外でも経営者としてはある程度短期間で目に見える効果が欲しいと考えることもあります。
こうしたケースでは広告掲載が有効な策となります。テレビCMや雑誌からホームページへ誘導する方法もありますが、多くの場合はインターネット上の広告が中心となります。インターネット上の広告にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があるため、ホームページに呼び込みたいターゲット層に合った広告を選択する必要があります。
マーケティング支援とは、ホームページのアクセス状況を解析し改善案を考える作業を外部の企業に委託する場合に発生します。ホームページで成果を出すためには、開設したあとに継続的な改善を行って自社にノウハウを蓄積していく必要があります。改善策も自社で考えるのが理想ですが、最初はなにをすればよいのかも分からない状態になると思います。その際には外部の企業に委託をして、ノウハウを学んでいくと効率的です。
このように戦略・対策費用は、短期間で成果を出すための保険のようなものと考えることができます。
<レンタルサーバー・ドメイン費用>
車の駐車場代に相当するのが、レンタルサーバーとドメインの利用料です。自社のサーバーにホームページを構築する場合もありますが、特に中小企業ではホームページをレンタルサーバーに配置するケースが多いと思います。
レンタルサーバーとは別にホームページを制作し公開後にデータを追加・更新していくためのツールとして、Webの専門知識がなくても使えるCMSまたはホームページ制作ツールが必要です。現在は「WordPress(ワードプレス)」という無料のCMSが世界でトップシェアを占めており、日本でもよく使われています。ほとんどのレンタルサーバーでは管理画面からWordPressを簡単にインストールできるようになっています。ホームページを作る際にレンタルサーバーを利用するケースが多いのはこうした背景もあります。
<更新費用>
車のガソリン代や車検代にあたるのが更新費用です。ホームページで成果を出していくにはアクセス状況を解析して改善策を考える必要があります。改善策に基づきホームページに変更をかけていくのが更新費用です。
更新費用がどれくらい掛かるのかは一概にはいえません。例えば「クリック率を高めるために、AとBのボタンの位置を入れ替えよう」という改善と「環境・社会問題への取り組みを訴求するためにSDGsのページを新規で追加しよう」という改善では、掛かる費用が大きく違ってきます。
定期的に点検してガソリンを入れないと車は走り続けることができません。より遠くに行くためにはそれだけのガソリンが必要なように、ホームページで成果を出すには更新費用も投資をしていく必要があります。
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