自信を持って突き返す勇気が、人を育てる
やらせるほう、教えるほうからしたら、やり直しをさせるのは、とてもエネルギーがかかります。
本来は「おまえは何度やってもできなさそうだから、もうやるな。他の人にやらせる」と見放すのが、手っ取り早いことです。
にもかかわらず、「もう一度やってみよう」と指示するということは、それだけつき合う時間を長くとらなければならない、ということになります。
そう考えると、「まだやらされている」というのは、自分が下の立場に立っている人にとっては、多忙な上司などに長くつき合ってもらっているのであって、見放されていない、有り難い状態なのです。
「やり直していいのか。だったら、自分には可能性があるな」という気にならなければなりません。
プロフェッショナルとアマチュアの違い
どんなプロフェッショナルな人も、「繰り返し」を徹底しています。
何度も何度も挑戦して、失敗を重ねて、ようやくその技術や感性を手に入れているのです。
「繰り返すことで成功する」という、ごく当たり前のことがわかっています。
そして、そういうプロフェッショナルな人が、「繰り返せば成功するよ。繰り返そうよ」
と指示していることに対して、アマチュアレベルの人が、
「なんで、こんなに繰り返さないといけないんですか!」
などとふてくされる、というのは恥ずかしいことではないでしょうか。
「繰り返してやるのは嫌だ」というのは甘えの感情だと思います。
繰り返してやることを受け入れるかどうかで、その人の人生は大きく変わります。
そして、そのことを、場の力で気づけるようにしていくのも、リーダーとしての大きな仕事なのではないでしょうか。
嶋村 吉洋
実業家
投資家
映画プロデューサー