(画像はイメージです/PIXTA)

以前に比べてスリム化が進んでいる葬祭費ですが、それでも遺族には負担がかかります。そのため、亡くなった方の扶養家族の負担軽減を目的に、埋葬料もしくは葬祭費として支給されるお金があります。くわしく見ていきましょう。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

亡くなった方の扶養家族に支給される、埋葬料・葬祭費

生徒:先生、「埋葬料」と「葬祭費」について教えてください。

 

先生:埋葬料と葬祭費は、いずれも亡くなった方の扶養家族に支払われる給付金のことです。亡くなった方が「会社員として協会けんぽに加入」していた場合、葬儀や火葬をおこなった扶養家族に支払われる給付金があります。これが埋葬料です。一方、亡くなった方が、「自営業者として国民健康保険、国民健康保険組合に加入」していたり、「後期高齢者医療制度」に加入していたりした場合であっても、葬儀や火葬をおこなった扶養家族に支払われる給付金があります。これが葬祭費です。

 

生徒:「協会けんぽ」と「国民健康保険」では呼び方が異なるのですね。

 

先生:そうですね。名称は異なりますが、どちらも葬儀や火葬の費用を負担してもらえる給付金です。ちなみに埋葬料は、仕事をしていないときに亡くなった場合に支払われるものです。仕事をしている最中に亡くなった場合は、葬祭料が労災保険から支払われることになります。

 

生徒:社会保険で葬儀や火葬の費用を一部負担してくれるというのは助かりますね。

 

先生:その通りですね。葬儀や火葬には多くの費用がかかり、金銭的な負担が大きくなります。そこで、社会保険が一部を負担する仕組みとなっているのです。

「埋葬料」「葬祭費」を受け取るための手続き

生徒:お金は自動的に受け取れるのですか?

 

先生:これらは自動的に支給されるものではありません。申請することによってはじめて支給され、しかも2年という期限内に申請しなくてはいけません。

 

生徒:2年以内に申請が必要なんですね。どのような書類が必要なのでしょうか?

 

先生:協会けんぽの場合は「健康保険埋葬料支給申請書」に記入し、亡くなった方の健康保険証、事業主の証明書類を提出することが必要になります。一方、国民健康保険組合のほうは、「国民健康保険葬祭費請求書」に記入し、亡くなった方の被保険者証、喪主の身分証明書、葬儀の領収書を提出することが必要になります。

 

健康保険埋葬料支給申請書」は協会けんぽのウェブサイトから、「国民健康保険葬祭費請求書」は申請する自治体のウェブサイトからダウンロードできます。ダウンロードした申請書はパソコンで入力もできますよ。

 

生徒:パソコンがない人はどうしたらいいのでしょう?

 

先生:年金事務所や市区町村役場でも入手できます。その場合、記入は手書きになりますね。

 

生徒:どのぐらいお金がもらえますか?

 

先生:協会けんぽから埋葬料の支給額は、一律5万円です。一方の市区町村役場からの葬祭費の支給額は、3万円から7万円です。当然ですが、申請するときに葬儀費用や火葬費用の領収書を提出しなければいけません。

 

生徒:葬儀の負担を減らすため、忘れずに申請する必要がありますね。

 

先生:その通りです。

 

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埋葬料・葬祭費を請求したが…支給されるのはいつ?

生徒:申請した場合、すぐお金がもらえるのでしょうか。

 

先生:埋葬料や葬祭費は、申請してから2週間から3週間後に支給されます。受給方法は銀行口座振込のみで、現金での受け取りはできません。

 

生徒:申請期限と受給方法についてよくわかりました! そのほか、申請する上で注意する点はありますか?

 

先生:申請書に記入する口座ですが、これは申請者名義の口座を記入してください。亡くなった方名義の口座は一定期間凍結されていて、使用できなくなっているためです。

埋葬料と葬祭費、両方受け取ることはできない

生徒:そういえば、うちの父親の場合、会社員時代は協会けんぽに加入していたものの、退職後に自営業を始めたため、国民健康保険に加入しています。この場合、協会けんぽの埋葬料と市区町村役場の葬祭費の両方をもらえることになりますか?

 

先生:埋葬料と葬祭費を両方受け取ることはできません。埋葬料を申請したら葬祭費は申請できませんし、葬祭費を申請したならば埋葬料は申請できません。どちらか一方のみ、申請をおこなうことになります。

 

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葬儀費用に給付金!?埋葬料と葬祭費の申請方法と支給時期を解説

埋葬料や葬祭費は、相続税申告で債務控除できる

生徒:埋葬料や葬祭費は、相続税の計算上、どんな扱いになりますか?

 

先生:相続税の計算では、葬式費用を控除することができます。葬式費用というのは、通夜や告別式の葬儀費用、火葬費用、納骨費用、お坊さんへのお礼、死亡診断書の発行費用などですね。ただし、埋葬料や葬祭費をもらうことで、実際にかかった費用の負担は小さくなっているはずです。これらの支給額を葬儀費用から除外して、実際にかかった費用で計算することに注意が必要です。控除される金額が小さくなりますね。

 

生徒:そうすると、支給される埋葬料や葬祭費には、相続税はかからないのですか?

 

先生:そうですね。社会保険から支払われる埋葬料や葬祭費は、亡くなった方ではなく相続人が受け取るべきものです。相続財産ではありません。また、受け取った相続人にも所得税はかかりません。

 

生徒:そうなんですね! 間違わないようにしないといけませんね。

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

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【事業所得】自営業者(個人事業主)の所得の計算、雑所得との違いまで解説

 

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