ハンセン指数 19,673.45 pt (+0.39%)
中国本土株指数 6,702.36 pt (+0.71%)
レッドチップ指数 3,665.65 pt (+0.21%)
売買代金1,363億6百万HK$(前日1,240億9万HK$)
米国がCPI発表によりインフレがピークアウトの観測
金融市場が注目していた11月の米消費者物価指数(CPI)が13日に発表された。前年比7.1%上昇にとどまり、事前予想や前月実績を下回り、昨年12月以降最低の伸びにとどまった。前月比では0.1%上昇と小幅な伸びで、インフレがピークアウトしたとの観測が強まった。
CPIの内訳では、エネルギーやコモディティの価格低下が寄与した。中古車は前月比2.9%下落と金利上昇によるローン増加の影響で需要が減った。一方、コアCPIの比重が大きい家賃の伸びは前月比で0.6%上昇と全体を押し上げる結果となった。
今夜に控えるFOMCについて、投資家は既に、利上げ幅は前回までの4会合連続の75bpsから50bpsに縮小される展開を織り込んでいる。
それ以上に焦点となるのは四半期に一度公開される四半期経済見通し(ドット・チャート)である。最終的な政策金利の最高到達地点(ターミナルレート)がどこまで上昇するか、金利の低下が始まる時期がいつになるかであろう。
前回時点では23年末は4.5%前後、24年末は4.0%以下を予測するメンバーが大半を占め、2023年後半には、利下げサイクルに入ると予想されていた。
しかし、11月末のパウエルFRB議長やバー副議長の発言では、12月FOMCでこそ利上げ幅を50bpsに縮小する可能性があるもの、政策金利は長期間にわたり高止まりすることが触れられていた。来年の到達点、そして利下げ時期の目安がいつになるかが市場の注目となろう。
中国政府は、14日これまで公表してきたコロナ感染者のうち、無症状の感染者数の発表を取りやめる旨を報告した。
当局が感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を緩和した結果、実数を正確に把握することが困難になったためとし、コロナとの共生を目指す方向に展開した。
14日に発表された前日の感染者(無症状除く)は2千人台と大きく低下基調とされるが、SNSなどでは、感染拡大は続いていると伝えられており、懸念は払しょくできていない。15日から予定されていた中央経済工作会議は、北京市内の感染拡大を理由に開催そのものが延期されたと報じられた。
また、中国国家統計局は明日の11月の経済指標発表の後に予定していた記者会見を取りやめると発表した。
このところ足元の経済指標には軟化の傾向が目立つが、当局は支援強化の姿勢を明確にしており、政権の危機感が露わになってきている印象も強く、急ピッチで緩和策に走り、経済重視の姿勢を鮮明にする中国当局にとっても、成長路線に回帰できるか瀬戸際まで追い込まれた状況である。
香港ハンセン指数は続伸
14日の香港市場はインフレ懸念が後退したことで、ハンセン指数は高く寄り付くも上げ幅は限定された。今夜のFOMCを前に手控え感が強く、パウエルFRB議長の記者会見の発言を見極めたいとの見方が強まった。
ITネット株が堅調となり、高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は5.0%高、高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は4.7%高、インターネット検索の百度(9888)は3.6%高、クラウドサービスの金蝶国際集団(0268)は3.5%高と上げ幅が目立った。
主要銘柄も買われ、インターネットサービスのテンセント(0700)は2.1%高、フードデリバリーの美団(3690)は2.1%高、Eコマースのアリババ(9988)は1.3%高で引けた。
一方、前日の大幅高から半導体関連株が下落。バイデン米政権は週内にも半導体メーカーの長江存儲科技など中国企業36社を事実上の禁輸リストに加える計画だと明らかにされたことが材料視された。
リストに掲載された場合、許可がない限りは米国製部品などの調達が事実上禁止となる。10月初め、バイデン政権は半導体製造装置の対中輸出規制の適用対象を大幅に拡大する包括的措置を発表していた。
半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は10.8%安、半導体製造のSMIC(0981)は3.7%安だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.01%高の3,176.53、CSI300は同0.23%高の3,954.89で引けた。前日に続いて一進一退の動きと、国内外の重要イベントを前に小動きとなった。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>